歩め、村上ロード! 阪神井上広大外野手(19)が、フェニックスリーグのヤクルト戦で2戦連発となる3ランを放った。

1-0の無死一、二塁、市川の内に入った初球を振り抜いた。打球は左翼フェンスを悠々と越え、後方の壁に直撃。「昨日1本出てやっぱり気持ち的にも楽になったので、思い切ってスイング出来るというか、昨日打った形のまましっかりとスイング出来ています」。前日17日楽天戦でのソロも左翼席中段まで運んでおり、2年目に向けた取り組みが、特大アーチという結果で表れ始めた。

平田2軍監督は持ち前の長打力を評価し、さらなる期待を寄せた。「もう来年は戦力になってもらわないと。俺はいつも鈴木誠也、岡本、村上に負けないような1軍で、井上には4番という責任感と重みを感じて、野球をやってほしいということでやらせてるんだから」。並べたのは、球界を代表する主砲たちの名前。特にプロ3年目のヤクルト村上は、同じ高卒野手として年の近い大きなお手本だ。村上は1年目の18年は1軍出場6試合ながら、翌年に全143試合に出場し、新人王にも輝いた。実は、1年目の18年に参加したフェニックスリーグでは10本塁打を記録し、その後の飛躍につなげていた。

今季の井上は2軍で4番を任され「英才教育」を受けてきた。「みんなフェニックスは大事と言ってるので、アウトのなり方とかもしっかりと自分で見て分析して、やっていきたい」と謙虚に話すが、今秋の収穫次第では村上のように新人王まで突き進む可能性もある。「最終的に、たどりつけたらいいです」。1日1日を積み重ね、輝く2年目にする。【磯綾乃】