「左殺し」のリリーバーが、戦列に戻った。左脇腹痛から復活した巨人中川皓太投手(26)が18日、1軍に合流。完全非公開の中、京セラドーム大阪で行われた全体練習に参加した。今季は37試合に登板し、防御率1・00と無類の安定感を誇った鉄壁左腕。対ソフトバンク打線は、この日のシート打撃でアーチを放ったCSのMVP男の中村晃や柳田、栗原ら左打者封じがポイントの1つ。左対左の勝負が決戦のカギを握る。

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強力ソフトバンク打線を斬る陣容が整った。セットアッパー中川が1軍メンバーに加わった。完全非公開の中、全体練習で汗を流したチーム待望の“ラストサムライ”は「自分が任されたイニングは、無失点で投げきれるように準備して頑張りたい」と備えた。

昨年の日本シリーズで4連敗を喫した相手陣営には、左打者の猛者が並ぶ。中村晃、柳田、栗原、周東と長打と巧打を持ち合わせるメンバーだが、この難敵封じが中川の主戦場。プロ入り後、対左は287打数68安打で被打率は2割3分7厘。今季も2割1分7厘に抑え、被本塁打はゼロだった。

今シーズンは右打者相手にも、容赦なく斬りかかった。対右は通算338打数92安打、被打率は2割7分2厘だが、今年は1割6分7厘。グラシアル、デスパイネら右の大砲にも臆せず刀を抜く覚悟で「どこで行くかは分からないですけど、左右関係なく、1人1人抑えられるように集中してやりたい」と引き締めた。

昨季の“頂上決戦”では2試合に登板し、計2回2/3を無失点。第3戦では柳田を左飛、第4戦では2点を追う7回1死満塁でマウンドに上がり、1球で併殺に仕留めた。今季は10月9日に左脇腹痛で離脱したが、13日のみやざきフェニックス・リーグ阪神戦で実戦復帰。大一番を前に、頼れる仕事人が、高梨、大江、田口、高橋の中継ぎ左腕の輪にはせ参じた。【久永壮真】