ビッグベイビー対決に勝つぞ！

阪神ドラフト3位の上武大・佐藤蓮投手（22）が19日、群馬・高崎市内のホテルで契約金6000万円、年俸1000万円で仮契約した。身長188センチ、体重102キロと大柄体型で、ニックネームは巨人岡本も原監督に命名されたことがある「ビッグベイビー」。最速155キロの即戦力右腕が新旧対決で元祖を封じ、G倒の使者になる。（金額は推定）

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身長188センチで体重は102キロ。直球の最速は155キロを計測する。眉毛も整い、キリっとした顔立ちだが、高校時代からの愛称は「ビッグベイビー」だった。「体に似合わず幼いところがあるってよく言われます」。大柄な右腕は、思わず頭をかいた。

今も同学年の友人や後輩から呼ばれるという。性格なのか、雰囲気なのか。由来を問われると「自分では何も意識してるところはないですけど…。結構そうやって見られることがあります」と苦笑い。今季本塁打と打点で2冠を獲得した巨人の「2代目若大将」こと岡本も、昨季は原監督に同じ愛称で呼ばれていた。「対戦できる機会があったら、抑えたい気持ちが一番にある。全力で抑えられるように投げていきたいと思います」。元祖との新旧「ビッグベイビー」対決を制す意気込みだ。

静岡県出身で、幼少期は東京ドームに足を運んだ。中でも阪神との伝統の一戦は、鮮明に覚えているという。「やっぱりジャイアンツとの試合はすごく特別だなと感じた。そこで自分が投げてチームを勝たせられるようになりたい」。今季2000安打を達成した坂本との対戦にも意欲満々。チームは今季、巨人に8勝16敗と大きく負け越したが、飛車角斬りでG倒の使者を目指す。

マウンドに上がれば「ビッグベイビー」がオトナのピッチングを全開する。がっちりした体型から放たれる力強い真っすぐを主体に、縦に大きく割れるパワーカーブが持ち味だ。「自分の強い真っすぐに対して大きく縦に割れるカーブがあれば、バッターのタイミングも外せると思いますし、よりストレートが生きてくる。カーブにはすごく自信があります」。担当の吉野スカウトも「最速155キロのストレートが一番の魅力。あとはカーブが非常にキレる」と評価は高い。

遅咲きの苦労人でもある。大学1年の冬に右肘を手術し、公式戦デビューは4年の今秋リーグ戦。だがもう、故障の心配はない。「パワーでどんどん押していくのが自分の魅力。ストレートで真っ向勝負できるような投手になりたいと思います」。虎の「ビッグベイビー」が、強力投手陣に加わる。【只松憲】

○…佐藤蓮がドラフト1位佐藤輝との共闘を誓った。アマNO・1スラッガーとの面識はないが「同じ名字なので何か縁があるかなと思う。野手と投手で違いますが、お互い切磋琢磨（せっさたくま）して成長していけたらなと思います」と話した。「ダブル佐藤」が投打の柱になって、チームを引っ張る意気込みだ。

▼ビッグベイビー　巨人原監督が、若き主砲岡本に対して付けた愛称。19年6月4日の楽天戦で、不調の岡本を4番から6番に下げた際「ややビッグベイビーが困っているというところで、少し助けてあげようと」と話し、奮起を促した。後半戦は復調し、リーグ優勝に貢献。CSファイナルステージではMVPとなり、指揮官も「乳歯は抜けたってとこだね」と成長を認めた。20年からは「ビッグベイビー」をあらため、「若大将」と呼んでいる。

佐藤蓮（さとう・れん）

○球歴　1998年（平10）4月11日、静岡県生まれ。中学時代は三島シニアに所属し、高校は静岡・飛龍に進学するも甲子園出場なし。上武大1年冬に右肘を手術し、4年秋の関甲新リーグの常磐大戦で公式戦デビュー。今年8月30日の2軍ロッテ戦で155キロを計測し、一躍注目を浴びた。

○憧れの選手　今季ナ・リーグのサイ・ヤング賞を受賞したレッズのトレバー・バウアーと阪神藤浪。

○座右の銘　Don`tthinkfeel．（考えるな！　感じろ）。

○球種　ストレート、カーブ、フォーク、スライダー。

○サイズ　188センチ、102キロ。右投げ右打ち。

○家族　父慶典さん(49)、母智恵子さん(51)、兄悠さん（25）。