見せるぞ、枝キャノン! 阪神ドラフト4位の立命大・栄枝(さかえだ)裕貴捕手(22)が22日、京都市内のホテルで入団交渉に臨み、契約金5000万円、年俸800万円で仮契約を結んだ。

即戦力として期待されるイケメンは、梅野を手本に未来の正捕手を目指す。「枝キャノン」と呼ばれる二塁送球1秒8の強肩を球界に知らしめていく。

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「枝キャノン」が「梅ちゃんバズーカ」の背中を追う。交渉を終えた栄枝はこんがり日焼け顔に白い歯をこぼした。「グッと、阪神タイガースの一員になれた気がします」。二塁送球1秒8の強肩について、担当の熊野スカウトはまだまだ早くなると評価する。栄枝は「まだ梅野選手の肩のレベルではないと思っている。どんどん近づいて、早く抜かせるように頑張りたいと思います」。大学時代に「枝キャノン」の呼び名が普及し始めたといい「代名詞というか、そうやって愛される選手になりたい」と意気込んだ。

攻守で正捕手梅野を手本とする。ゴールデングラブ賞に輝いた鉄壁ブロッキングに投手陣からの厚い信頼、勝負強い打撃などを挙げ「そういうキャッチャーを僕も目指していきたい」。1軍春季キャンプがかなえば、各投手の性格や球種、配球を聞きたいという。「弟子入りじゃないですけど、自分から積極的に話しかけて。得られるものを得ていきたいなとは思ってます」。バズーカ以外の細やかな面も貪欲に吸収していく。

目指す正捕手像はシーズン全試合フルイニング出場だ。阪神だけでなく、他球団でも疲労面などを考慮した捕手併用が増えているが、栄枝はマスクをかぶり続けることにこだわる。「自分がチームの柱になれるようにというか、そのためには1年間フルで出ることが大事なんじゃないかと思っています」。そのための体作りにも意欲的に取り組むと明かし「筋肉の付き具合とかが全然まだまだ。プロはいろんなトレーニングがあると思いますし、体も丈夫にしていけたら」と、将来を見据えた。

両親への感謝もプレーに込める。野球を始めた小学1年から、プロ入りを決めた大学まで父和貴さんと母真美さんの支えが大きかったという。「感謝の言葉を伝えたい。これから何倍もの恩返しを見せていけたらいいかなと思います」。最初の目標は開幕1軍。梅野を追いかけ、追い越す日を目指す。【奥田隼人】(金額は推定)

▽阪神熊野スカウト(栄枝を評価する部分は) 肩の強いところ。体もありますし、バッティングもいい。本当に梅野くんと勝負できるという思いで、取れて良かった。(送球は)まだ本人も余裕を持って投げている。もっと早く投げれるようになるのでは。