来季先発陣の“隠し球”はオレだ!日本ハムのルーキー立野和明投手(22)が27日、宮崎で行われているフェニックス・リーグ阪神戦(生目の杜第2)で先発し、5回無安打無得点の快投を演じた。社会人の東海理化からドラフト2位で入団も、支配下の新人投手で唯一、今季1軍デビューを果たせず。「僕の中では(自分は)隠し球だと思っているので、他の人に負けないようアピールするだけ」と、意気込んだ。

許した走者は、内野手の失策による2人だけ。この日の最速は146キロ止まりも、変化球も交えてストライク先行で、どんどん攻めた。圧巻は2~3回にかけて奪った5者連続三振で、計7奪三振と若虎打線を完璧に封じた。

今季はイースタン・リーグで8試合に先発し2勝3敗。防御率3点台と、決して芳しい成績ではない。投球フォームに迷いながら日々を送る中、9月下旬に左脇腹の肉離れで戦線離脱した。実戦復帰は宮崎入り後。短いイニングで登板を重ねて、この日を迎えた。「ずっと練習をメインにやっていた。最後に、こういう結果になって良かった」。ルーキーイヤーを笑顔で終え、2年目への手応えも、しっかりつかんだ。

同期入団の河野、鈴木健、望月は、既に1軍デビュー。「周りから、来季はチャンスだと言われているので。そこを逃したら、もうチャンスはないかなと覚悟している」。後れを取った悔しさを、来季、先発枠入りで、一気に晴らすつもりだ。【中島宙恵】