中日祖父江大輔投手(33)が29日、ナゴヤ球場で契約更改交渉に臨み、3500万円増の7000万円で1発サインした。

今季はチーム最多の54試合に登板、2勝3セーブ28ホールド、防御率1・79。30ホールドポイントで勝利の方程式を組んだ福とともに、最優秀中継ぎ投手賞を初受賞していた。

約1時間の契約更改を終えた祖父江は「(金額は)上がりました。話し合って納得してサインした」と話した。また球団側には「中継ぎは大変な仕事。僕は負け試合から勝ち試合まで経験した。どこのポジションもきつい。それなりに負け試合を投げている選手も評価して欲しいと話をした」と、リリーフ投手の待遇改善を要求したことも明かした。

中日は更改2日目の27日までに木下拓、福谷、福の3選手が保留する異例の事態になった。日本プロ野球選手会はこの事態に、28日に抗議文を送付。加藤球団代表による査定方法の事前説明が二転三転したり、不十分であることに加え、メディアに対して金額への不満でもめている印象を与える発言をしていると指摘した。倍増での1発サインした祖父江は一連の事態について問われると「話し合って納得したから、この場にいる」と話した。

球団側は、例年の査定方法のまま120試合を基準に算出、選手に提示してきた。減少試合数分の評価は減るものの、年俸算出方法は変更していないことを強調。加藤球団代表は「今年は情状部分での査定に追加することはない」と、新型コロナウイルス感染拡大禍による収入減により、交渉の中で情状し追加してきた部分をなくすことを明言していた。

保留している3選手以外の減額提示選手には、1軍での活躍が少ない場合など、厳密に減額制限いっぱいの25%ダウンなどを提示。1年目の契約更改を終えたドラフト1位石川昂にも1軍で14試合8安打に終わったことを受け、情状部分のない225万円ダウンの1275万円で更改した。

今回の球団姿勢に対し、選手会は「選手と球団の信頼関係を維持できない状況」として「球団代表の言動に強く抗議し、所属選手に対する十分な説明、誠実な協議を求める」と訴えていた。

(金額は推定)