西武辻発彦監督(62)が、見えない敵への注意を促した。29日、埼玉・所沢で秋季練習を打ち上げた。練習前、辻監督が選手らに訴えた。「一番怖いのは体なんで、コロナに十分注意してこのオフを過ごすこと。しっかりと2月1日から十分な動きができる、野球ができる体をつくってきてください」。今、何よりも手ごわい難敵との戦い。その心構えを指揮官自ら説いた。

辻監督自身、このオフは我慢の時間を過ごす覚悟だ。「(オフの)楽しみはないですね。別にこれっていうのはないからね。普通にいろんなところで当然外にも出ないし、コロナが一番怖いから。じっとしていると思いますよ。田舎にも帰れないなあ。今年はやめようかな」。故郷・佐賀での毎年恒例の野球教室も中止。自宅での時間が自然と増えるため「いいソファを買いに行こうかなと思います。首、腰が痛くならないように」。ゆっくりと英気を養う。

秋季練習最終日。グラウンドでは最後まで選手らに目を配り続けた。練習前、あいさつに訪れた新加入の吉川光夫投手(32)には「先発も大いにチャンスある」。木村文紀外野手(32)には打撃指導を繰り返し「木村に関しては思ったより結構いいところで打ってくれた。もう少し確実性を上げられるように、そのために取り組んできた。三振を少なく、追い込まれてからのバッティングとか、そういうところが課題」と指摘。室内練習場では、右足首痛でリハビリ中の山川穂高内野手(29)に声をかけ「まあ、あんまり焦ってもしょうがないんだけど。開幕にベストになれるように、ということしか望まないです」と、主砲の復活を願いながらオフを過ごす。