矢野阪神が秋の収穫を手に、3年目となる来季に備えていく。秋季練習最終日。矢野燿大監督(51)は「若い選手がフェニックスに行っていますけど、中堅というか、そういう選手が残って、みんな課題をしっかり持ってやってくれました。いい練習ができました。来年に向けて楽しみな感じに全体的になっている」と総括した。

今季も両リーグワーストの85失策を記録。この秋は投内連係や送球を含めた守備面に重点を置いた。指揮官は「チームとしてもエラーが多かったことで、午前中はだいたい守備でやってきた。実戦的なことはメンバー的にもできないので、ちょっと打撃フォームを変えるとか、そういうことはそれぞれできたと思う」。主力陣の打撃面でも、成長への手応えがある。

来春キャンプでは第1クールからシート打撃や紅白戦などの実戦形式のメニューを組み込む予定。「(投手であれば)キャンプに入った時から試合で投げられる状態で来てもらわないと困る。『よーいドン』でふるいにかけていかないといけない」。キャンプインと同時に開幕する激しいチーム内バトルを、悲願Vへの助走とする。【松井周治】