ソフトバンク和田毅投手(39)が「あぶさん魂」で投げ続ける。1日、所用のためペイペイドームを訪れたチーム最年長左腕は、この日引退を発表した漫画家の水島新司さんに敬意を表し、自身も長く現役を続ける意欲を示した。

水島さんの代表作「あぶさん」では主人公の景浦安武がホークスに所属。和田もチームメートとして描かれた。「何回も登場させてもらって、自分が漫画の絵になることがうれしかった。水島さんには球場などでお会いして、気さくに話していただいた思い出もあります」。18歳から63年間、漫画を書き続けた水島さんには脱帽の思いだ。「今まで情熱を失わずに描かれていたことがすごい。野球の世界では想像できない」と目を丸くした。

和田自身は今季、3年ぶりに開幕ローテーション入り。間隔を空けながらの起用だったが、16試合に先発して8勝1敗。日本シリーズにも先発するなど、4年連続日本一に大きく貢献した。だが「個人的には間を空けずに、中6日で20何試合に投げるのが目標。そこを求めていかないと、どんどん弱っていく。チャレンジしていきたい」ときっぱり。全盛期のようなフル回転へ、さらなるレベルアップを思い描いている。

来年2月に誕生日を迎えれば40歳。まだまだ衰えるつもりはない。「水島さんは必要とされている中で、惜しまれつつ引退される。自分も情熱があって、必要とされる限りはやっていきたい」。あぶさんの景浦は62歳まで現役を続けた。「並ぶのはおこがましい」と笑いながら、来季も大車輪で奮闘する意気込みだ。【山本大地】