イヌワシ期待の新星が来季は1軍定着を狙う。楽天黒川史陽内野手(19)が1日、仙台市内の球団事務所で契約交渉に臨み、現状維持の650万円で更改した。ドラフト2位で入団した高卒1年目の今季は、10試合に出場して打率1割4分3厘、0本塁打、2打点。来年1月の自主トレでは藤田一也内野手(38)に弟子入りし、21年に向けて「1年間けがなく、ずっと1軍で戦うことを目標にしたいと思います」と大きな野望をぶち上げた。

甲子園の申し子だ。智弁和歌山時代には1年夏から春夏5度すべて出場してきた。聖地で戦ってきた強心臓ぶりをプロでも発揮。9月4日オリックス戦で初の1軍昇格から「7番二塁」で即スタメン出場し、プロ初打席で犠飛を放ち初打点、同6日同戦で初安打を適時打で飾った。イースタン・リーグでは57試合に出場し、打率2割9分7厘、6本塁打、31打点、1盗塁。打率個人成績は5位に入り、高卒ルーキーらしからぬ好成績を収めた。

オープン戦が分岐点になった。「キャンプが終わって最初は苦労するかなと思ったけど、オープン戦で打てたのですごい自信になった。最初のスタートダッシュが良かったので、怖いもの知らずというかプロでやっていける謎の自信があって1年間できたと思います」。14試合で2割2分2厘と高打率こそ残せなかったが、手応えをつかんだ。

プロの世界で生きていくために名手の力を借りる。「自分は1年通じて体の使い方があまりうまくないというのを一番気づきました。藤田さんは体の使い方が本当にうまい方で本当にちっちゃな、細かなことを大切にされてる方」。尊敬する先輩から匠(たくみ)の技を継承し、飛躍のきっかけにする。(金額は推定)【山田愛斗】