来季逆襲だ! 広島西川龍馬内野手(25)が3日、マツダスタジアム内で契約更改交渉を行い、500万円ダウンの6300万円でサインした。今季は右足首の負傷を抱えながら出場76試合で打率3割4厘、6本塁打、32打点を残した。11月には患部の手術を受け、完全復活に気合十分だ。今季出場3試合に終わった小園海斗内野手(20)は、200万円減の800万円で更改。ヤクルト山田哲に弟子入りして巻き返しを期す。(金額は推定)

   ◇   ◇   ◇

プロ5年目で初のダウン提示も、素直に受け入れた。西川はケガを抱えながらのプレーを余儀なくされた今季に悔しさをにじませる。「今年はほとんど試合にも出ていませんし、数字を見ればしょうがない。来年しっかり取り返せるように頑張ります」。一定の成績も、自分を満足させるものではない。500万円減の6300万円。わずか12分の交渉で判を押した。

「今年は野球をやった感がない。いいイメージがまったくない。“ケガとの戦い”。そんな1年でした」

開幕直前の練習試合の守備中に痛めたとみられる右足首の影響は、最後まで大きく響いた。患部をかばう動きによってひずみが生じ、8月26日には脇腹を痛めて出場選手登録抹消。翌シーズンを考えれば、この時点で手術に踏み切っても良かった。「僕も悩んだ。このまま手術しても、自分の中でもモヤモヤするし、周りから見ても良くはないかなと。良くなったら戻って最後まで頑張れたらなと思って、決めました」。チームと戦うことを決断。10月に1軍復帰すると、プロ入り初の4番を任されるなどケガの影響を感じさせない打撃で奮闘した。

来季の開幕を逆算し、11月11日に「右腓骨(ひこつ)筋腱腱鞘形成術」を受けた。リハビリをスタートさせたばかりで、日本ハム近藤らと毎年1月に行う合同トレも不参加となる。「なんとか開幕までには100%でできるようにしたいなと思います」。公傷扱いにもならなかったが、不満ひとつ言わずに受け入れた。ケガを抱えながら、規定打席不足とはいえ、打率3割4厘の成績を残して、バットマンの意地を示した。

若手が台頭してきたが、通算2割9分8厘を誇る西川の存在感は広島打線の中でも際立つ。鈴木球団本部長は「シーズンフルに働いてほしいという話はした。彼がいれば打線のつながりが良くなるし、誠也らも生きる」と期待。雌伏の時を経て迎える来季、西川は黙ってバットで結果を残すに違いない。【前原淳】