ソフトバンク柳田悠岐外野手(32)が、背番号「9」の前任者でもある小久保裕紀ヘッドコーチ(49)の就任を喜んだ。

5日、ペイペイドームでファンフェスティバルに参加した主砲は「背筋が伸びる」と新ヘッドを歓迎。小久保ヘッドの現役時代最多は01年の44本塁打。「少しでも近づけるように」と思いを新たにした。

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ファンフェスティバルではしゃぎ、手をたたいて笑っていた柳田の顔がキュッと引き締まった。イベント終了後、小久保ヘッドの就任について問われると「小久保さんの背番号を今、付けていますし、そういう意味では、やっぱり背筋が伸びるというか、そういう感じです」と、心境を明かした。

小久保ヘッドの現役時代から期待をかけられ、侍ジャパンでは監督と選手の関係でもあった。柳田にとっては「練習に取り組む姿勢とか試合に向かう姿勢とかを見て、これがプロなんだなというのをすごく感じました」という存在だ。18年オフには「俺の記録を抜いたら何か買ってやる」とハッパを掛けられたこともあった。小久保ヘッドが現役時代に記録した、年間最多44本塁打を上回れという指令だった。

柳田は驚くような本塁打を数多く打ち、スラッガーとしての印象を残しているが、故障離脱などもありこれまでの最多は18年の36本だ。「(44本を)超えられるわけないでしょ。全然、超えられる数字は残せていない。1本でも近づけるようにそういう気持ちでやっていきたいですけど。全然、まだまだです」と自身の立ち位置を説明する。

「小久保超え」のために、柳田を後押しするのが他ならぬ小久保ヘッドになるかもしれない。柳田は「波なく打てるように。それはすごく難しいことなんですけど、その中でもまだまだホームラン打てるようにならないといけない」。だからこそ、「そういうところで何かアドバイスをいただけるように、練習に取り組んでいきたいと思いますね」と、通算413本塁打、2041安打と長く安定した成績を残した“師匠”からの助言を心待ちにした。

歴代背番号「9」のタッグが実を結んだとき、5年連続日本一がグッと近づくことは間違いない。【山本大地】