別れがあれば、出会いもある。5日、楽天生命パークでの楽天ファン感謝祭で、ベテラン右腕2人の引退セレモニーと新入団選手発表が行われた。楽天一筋15年の青山浩二投手(37)と3球団で18年間プレーした久保裕也投手(40)はともに涙ながらにファンへ現役最後のあいさつ。ドラフト1位の早大・早川隆久投手(22)は岩隈久志氏が背負った背番号21をお披露目し、イーグルス選手として初めて本拠地に足を踏み入れた。

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不安や心配は、挑戦につきもの。真新しいユニホーム姿を映す鏡を前に、早川もそう思わざるを得なかった。「エンジは早稲田大学の色でもありますしそんなに違和感はなく、しっくりくることはありましたが、21番という偉大な背番号に不安はある。この番号に見合うような選手になれれば」。球団から提示されたイーグルスの「21」。期待に左腕で応えると、心に決めた。

自分なりの印象がある。「球団創設の時には岩隈さん、早稲田大学の先輩でありますけど、(ソフトバンク)和田毅さんが21番を背負って投げている。(DeNA)今永投手も付けているので日本球界では左投手のエースナンバーになりつつあるのかなと」。

球団創設初年度の05年から11年まで7年間はエースを担った岩隈氏が背負った。早川も小学生時代の記憶がはっきりと残っている。「楽天と言えば岩隈投手というような印象がありました。コントロールが良くてエース級の活躍をされていました」。

新入団選手発表会見はオンライン開催。グラウンドでのファンへのあいさつは学ラン姿だった。「楽天イーグルスの21番は早川、という印象持ってもらえるような投手になれればと思います」。「21の早川」が杜(もり)の都で躍動する日まで。希望や期待は、ふくらみ続ける。【桑原幹久】