来季1億円プレーヤーとなって愛妻に恩返しする。日本ハム上沢直之投手(26)が10日、札幌市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、2500万円増の年俸8500万円でサインした。昨年6月に負った左膝の大けがを乗り越え、今季チームトップタイの8勝を挙げた右腕は来季、自身初のタイトル奪取を目標とした。プロ10年目を飛躍の年にする。(金額は推定)

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大幅増の8500万円で更改した上沢には、描く計画があった。契約更改直後の会見。報道陣から「増額分で奥様にプレゼントなどは?」と質問が飛ぶと「毎年『1億いったら買ってあげるよ』と言っているものがあるので。だから『来年楽しみにしてて』とは言いました。なんとか来年は届けられるように頑張りたい」。胸の中にあったひそかな目標を明かした。

今季左ひざの大けがを乗り越えて復活。チームトップタイの8勝を挙げた。つらいリハビリ期間中、ずっと近くで寄り添ってくれた妻には感謝しかない。「お世話になった分、目標を達成して、恩返しする方が気持ちいい。今年の成績じゃまだダメなので、頑張ります来年は」。1億円の大台に乗せ、妻にビッグなプレゼント。野望をかなえ、必ず恩返しするつもりだ。

そのための具体的な目標もある。自身初のタイトル獲得。「タイトルを取れる投手って本当にすごい人しかいないイメージ。いつかは…と思いながら9年目になりましたけど、来年あたりで。目標は大きく持っていきたいなと思うので、NPBアワードに出られるように頑張りたい」。色紙には「最多勝」と書き込んだ。

今季規定投球回数には届かなかった、一時は最多勝、最優秀防御率のタイトルを狙える勢いがあった。「規定投球回は必ずクリアしたいなと思っている。勝ち星も、2ケタ勝利は必ずクリアしなければいけない数字だと思う」。ケガの影響で左足の太ももはまだ若干右足よりも細い。「去年のオフシーズン走れなかったので、なるべく走れるだけ走りたい。歯を食いしばってやろうかなと思う」。上沢の完全なる復活はまだまだこれからだ。