プロ野球の快記録や珍記録を振り返る「データで見る20年」を今日から13回連載します。プロ野球を球団別に12回連載。続いて日本人大リーガーを取り上げます。第1回はヤクルト。4番で全試合出場し3割打者となった村上宗隆内野手(20)を取り上げます。

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20歳の村上が昨年に続いて全試合に出場した。昨年は途中出場2試合、先発の141試合は5つの打順で出場したが、今年はすべて先発4番。ヤクルトで全試合4番は00年ペタジーニ、03、05、06年ラミレスに次いで3人目になる。松井(巨人)は全試合4番を3度経験したが、最初に記録したのは26歳の00年。20歳シーズンに全試合4番は、38年春の小林(金鯱)62年張本(東映)の22歳を抜く最年少記録だ。

打率がリーグ最下位だった昨年の2割3分1厘から3割7厘へアップした。打率リーグ最下位の翌年に3割を記録するのは96年片岡(日本ハム)97年佐々木(西武)に次いで3人目だ。1リーグ時代の39年に川上(巨人)が19歳で首位打者を獲得するなど、これまで20歳以下のシーズンに打率3割は1リーグ時代に6人(7度)パ・リーグで3人いたが、セ・リーグにはいなかった。20歳の村上が76年掛布(阪神)ら5人の21歳を抜いてセ・リーグ最年少3割打者となった。

村上は開幕戦で2安打を放ち、打率3割を切ったのが1試合もなかった。全試合に出場して開幕戦から最終戦までオール打率3割以上は216安打した15年秋山(西武)以来だが、シーズン初打席で安打を打った村上は「全試合」どころか「全打席」で3割をキープ。打率が最も低かったのは6月25日の第1打席終了時で、20打数6安打のちょうど3割だった。全試合出場して全打席打率3割以上は11人しかいない。全試合4番を務めてとなると、初代3冠王の中島(巨人)が38年春、3冠王3度の落合がロッテ時代の85年、松井が00年に記録して以来4人目。殿堂入りの3人に、村上が20歳で肩を並べた。【伊藤友一】

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