吉田正がまた打率を上げた。プロ1年目からの打率は2割9分→3割1分1厘→3割2分1厘→3割2分2厘→3割5分となり、5年目はついに首位打者を獲得。最下位球団からの首位打者は08年内川(横浜)以来14人、15度目になる。1、2年目は規定打席不足も、この3年は全試合出場。全試合出場の打率3割を3年以上続けたのは17~19年秋山(西武)以来で、オリックスでは94~98年イチローに次いで2人目。

18年が2割5分4厘、19年は2割4分8厘だった2ストライク後の打率が3割2厘へ上昇。最近10年、規定打席に到達して2ストライク後の打率が3割以上は13年銀次(楽天=・324)15年秋山(西武=・317)20年吉田正の3人しかいない。0、1ストライク時の打率は3年連続で3割8分台だから、追い込まれてから高打率を残せたことが首位打者につながった。仮に、同じ打数で2ストライク後の打率が昨年並み(169打数42安打の打率2割4分9厘)ならば、打率3割2分8厘で3位に終わっていた。

追い込まれて打てるようになり、三振が減った。吉田正の29三振は今季のパ・リーグ規定打席到達者では最も少なかった。リーグ最少三振の首位打者は、17年宮崎(DeNA)以来17人目だ。三振の少ない吉田正だが、四球はしっかり選び、72四球はリーグ5位だった。最近は四球数と三振数が比例する。四球の多い選手は三振も多く、今季70四球以上の8人のうち吉田正を除く7人は三振も70以上。74年張本(日本ハム)以来となる「70四球以上で30三振以下」の珍しい記録もつくった。【伊藤友一】

 

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