西武山川穂高内野手(29)が、おなじみのどすこいパフォーマンスを封印する。本塁打を打った際にベンチ前で披露していた代名詞。それを「僕、もう『どすこい』をやらないです。書いておいてください。あいつにあげます。よくばり君。あいつに託しますから。僕は来年、野球に集中しますから」と、ドラフト1位ルーキーの桐蔭横浜大・渡部健人内野手(21)に引き継ぐ考えを明かした。

西の熱男、東のどすこいが「日本2大パフォーマー」だった。今年3月に、感染症対策として、観客とともに行うパフォーマンスが「感染リスクの高い行為」とされたときには、ソフトバンク松田と電話会談を行った上で、自粛で足並みをそろえた。シーズン開幕後は、無観客試合でもテレビで見ているお茶の間のファンへ、どすこいを届けていた。しかし来季はパフォーマンス自体をやめるという。

おかわり3世、改め「よくばり君」の入団を機に区切りとする。「もうキャラがね、あいつの方が。もう負けたでしょ。僕よりでかい子がどんっと入ってきたら、僕なんか(中村と)間の次男。だから、あれはこれから渡部君がやってくれれば」とデビュー前の“三男”に託した。自身もプロ入りの際はおかわり2世と呼ばれながら、独り立ちして今の地位を確立した。

中村に打撃論を尋ねながら、成長したからこそ弟分にも胸を貸すのかと思いきや。「教えないすっよ。教えない。(ポジション)取られたら嫌っすもん。渡部君ね、すっごいでかいっすね、あの子。あれはでかいすね。あれはでかいなあ。負けないようにやっていきたいですね」。18日には、宣言していた合気道養神館道場で、合気道トレを行った。すべては打率2割5厘、24本塁打、73打点に終わった今季から脱却するため。「どすこい」に別れを告げ、再スタートを切った。【栗田成芳】

 

◆ホームランパフォーマンス ホームイン手前では西武秋山幸二の「バック宙」。ベンチ前ではラミレス(前DeNA監督)の「ゲッツ」、ソフトバンク松田の「熱男」、同グラシアルの「ボクシング」、ロッテ井上の「ごっちゃし」、同レアードの「スシ握り」など。出迎え側では巨人原監督のグータッチが殿堂入り