異色コラボで2年連続2ケタ勝利…やればできる! 東京都内で自主トレ中の阪神秋山拓巳投手(29)が19日、親交のあるお笑いコンビ、ティモンディから練習のサポートを受けた。

西条高出身の秋山は、済美高出身の2人の1学年上で、愛媛県の高校野球でしのぎを削った仲。「やればできる!」をネタに持つ2人がポジティブワードを連発し、来季12年目の右腕はパワーをもらった。

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オレンジ色のパーカと半ズボン、オレンジ色の靴。「お久しぶりです!!」。最強ポジティブな助っ人が、秋山の自主トレにやってきた。ボケの高岸宏行とツッコミの前田裕太(ともに28)だ。ティモンディがYouTubeチャンネル内で秋山の名前を出したことがきっかけでコラボが実現。09年夏の愛媛大会決勝で対戦した時は、エース秋山率いる西条が大勝し甲子園へ。それから約11年…。

高岸 イメージはもう象だったんだけど、バキバキになって金剛力士像みたい!

前田 サイズダウンしたの、ちょっと。

高岸 いやいやいや、ドーンっていうより、バッキッ!って。

秋山 (高校時代は)もっと脂肪があって…いわゆる肥満ですね。ピークは113キロありましたね。

高岸は鍛え上げ、進化した体を見て大興奮だった。

3人でキャッチボールを終えると、秋山はブルペン投球へ。前田が捕手役となり、打者は高岸。内角高めに直球が投げ込まると、高岸は再び大絶賛した。「うおおおおお! マンモスになってる! 象からマンモスになってますよ!」。練習場は明るい空気に包まれ、秋山は「思ってもみない形で一緒にすることが出来て、すごく楽しかったです」と“初共演”を喜んでいた。

かつてはライバルだった。「打倒秋山」を目指した済美は、木箱を3つ重ねた上に投球マシンを置き、角度ある直球を再現していたという。「伊予ゴジラ」と呼ばれ、高校通算48本塁打の打撃も脅威で「1番から9番まで西条高校の打者を模して、想定したノックもやってたんですけど『4番秋山』の時はホームラン打ってました」と前田は笑って明かす。

元投手で最速150キロの高岸は今年の始球式で、秋山が贈ったグラブを手に138キロを計測。この日投球を指導した秋山は「170出ると思う。甲子園で出しましょう!」とエール。自身は球速140キロ後半を目指し、左足を踏み出す歩幅を11勝した今年の6足分から6足半強へ延ばすフォームを改良中。体重が乗るよう、股関節の可動域を広げるトレーニングに取り組む。来季の目標は「2年連続2ケタ勝利というのが一番」。済美の校訓「やればできる」をネタでも使うコンビから、ポジティブなエネルギーを受け取った。【磯綾乃】

○…甲子園球場で秋山とティモンディのコラボ弁当が来季発売されることが決まった。自主トレ後に鯛めしとちらしずしの2種類を3人で試食し、鯛めしに決定。おかずはトンカツなど、3人の験担ぎや思い出のメニューが詰められている。ティモンディの前田は「僕たちの地元愛媛県の魅力がたっぷりと詰まったお弁当です」とアピール。高岸も「ぜひみなさん、お楽しみにいい!」と満面の笑みでお薦めした。芸能人とのコラボ弁当は球団で初めて。

<過去の主な異色コラボ自主トレ>

▼俳優と 92年、日本ハム西崎幸広が、沖縄で俳優の石田純一と合同自主トレ。高校時代に投手だった石田は「この世界も体が資本。プロの運動選手がどれだけ体に効くトレーニングをしているか、一緒にやってみたかった」と話した。

▼アメフト流 97年1月、阪神桧山進次郎が、アサヒビール入社予定の立命大のQB東野稔と合同自主トレ。アメフトのボールでキャッチボールをするなどした。

▼サッカーと 中日武田一浩がサッカー元日本代表の平野孝(京都)と1日限定の合同自主トレ。平野に投げ方などを指導した。

▼高田道場で 03年1月、阪神下柳剛が格闘家・高田延彦氏の高田道場で自主トレ。親友の格闘家・桜庭和志相手に強烈なキックを連発し、桜庭を驚かせた。

▼陸上選手と 13年12月、ソフトバンク内川聖一が女子陸上短距離のエース福島千里らと合同自主トレ。「走ることへの意識が変わりました」と内川。