鉄腕×鉄腕=大鉄腕! 阪神ドラフト3位の上武大・佐藤蓮投手(22)が地元静岡・三島リトルシニアグラウンドで自主トレを公開。

飛龍高の先輩である西武平井、阪神で背番号「30」の先輩にあたる久保田2軍投手コーチは、ともに中継ぎでシーズン最多登板記録を打ち立てた。縁ある2人の鉄腕魂を継承し、色紙にしたためた「開幕1軍」をつかみ取る。

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佐藤蓮には、鉄腕継承にふさわし過ぎる縁がある。

阪神でつける「30」は、来季2軍投手コーチの久保田智之氏(39)がかつて背負った番号。現役時代は現駐米スカウトのジェフ・ウィリアムス氏、今季限りで引退した藤川氏と勝利の方程式「JFK」を結成。最強ブルペン陣の一角を担い、07年には日本記録の90試合登板を達成している。

「追いつけ追い越せではないですけど、そういう偉大な番号をいただいた。他の人と比べてしまってはダメですが、昨日の自分をしっかり超えていけるようにやっていきたいです」

不思議な縁はもう1つある。静岡・飛龍高の先輩には、19年にパ・リーグ記録の81試合に登板した西武平井がいる。平井がホンダ鈴鹿からドラフト指名された16年は高校3年で野球部に在籍。母校にあいさつで訪れた先輩に「4年後、プロを目指せるように頑張ります」と誓い、約束を果たした。強気に打者へ向かっていく投球スタイルは自身にとって手本になる。

「たくさん投げさせてもらえるということは、チームから信頼されている証拠だと思っている。阪神の中で一番登板数を投げて、優勝に向かって力を出せたら」

公開した自主トレでは約3時間半、ポール間走やマウンドからの立ち投げ30球などで汗を流した。現在は「1年間戦う体力が大事」と、体幹トレーニングにも力を入れている。プロでの起用法にはこだわらず、必要とされるところで懸命に腕を振る。色紙には「開幕1軍」と目標を力強く書き込んだ。

「1年間、1軍で戦いたい思いがある。そのためにスタートダッシュというのは大事。まずは開幕1軍を目標に、やっていきたいと思います」

佐藤蓮が、偉大な鉄腕2人の背中を追う。【奥田隼人】