21年シーズンのブレークが期待されるイチオシ選手を各球団の担当記者が紹介します。阪神からは西純矢投手(19)と井上広大外野手(19)です。

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今年の阪神はドラフト1位の佐藤輝に話題が集まるが、19年のドラ1&ドラ2コンビの飛躍にも要注目だ。

まずは、西純。昨年の夏場はペース配分を考え過ぎて球速が落ちたこともあったが、登板イニングを短くしたことで原点回帰。唯一無二の力強さとダイナミックさが戻ってきた。11月のみやざきフェニックス・リーグでは、先発ローテーションの経験を積む目的で、中6日で4試合に登板。11月29日に今季最後の実戦を終え、あこがれのツインズ前田を参考にしたフォームについても「もうほぼ完成に近づいてる」と大きな手応えをつかんだ。矢野監督は今春の1軍沖縄キャンプ招集を示唆しており、アピールを続けて今季の1軍デビューを目指す。遠縁にあたる西勇との「西西ローテ」も夢ではない。

もう1人は井上。昨年は高卒新人で唯一の1軍デビューを果たし、10月16日のヤクルト戦でプロ初安打初打点を記録する二塁打を放った。ウエスタン・リーグでは69試合に出場し、同リーグ2位タイの9本塁打、同3位の36打点をマーク。全て4番で出場する「英才教育」も受けてきた。シーズン中は平田2軍監督から手渡された雑誌を見て、広島鈴木誠、ヤクルト村上ら主砲の心構えを学んだこともあったが、オフも研究熱心。楽天浅村らの打撃フォームを見よう見まねで試してみるなど、技術向上へ余念がない。

矢野監督はすでに昨年12月中旬に、今春の1軍キャンプ同行を明言。井上も「1軍のキャンプに行くことはずっと、(プロに)入る前から目標を持っていたので、今後の練習ももっと気が引き締まります。キャンプまでまだ時間がある。しっかりと1日1日大切にして、練習をやっていけたら」と気合十分だ。佐藤輝と井上が刺激し合い、新たな化学反応が生まれれば…。フレッシュな力の突き上げで、今年の阪神はさらに盛り上がるはずだ。

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