シーズンオフ恒例「ヨネちゃんのおシャレ野球学」をスタートします。野球取材歴40年超の米谷輝昭記者が、だじゃれを駆使しながら意外なデータやエピソードを紹介します。

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今年、注目したいルーキーの1人だ。楽天のドラフト1位、早川隆久投手(22=早大)である。4球団が競合した、最速155キロの左腕。入団交渉後の会見では、「沢村賞を取れるような、投手になりたい」と話した。目指すは大野(中日)か、雄大な夢を掲げた。

昨秋、高い目標を口にするだけの投球を見せた。小宮山悟監督(55)は「無双状態」と評し、「生まれ変わったら早川になりたい」とまで言った。7試合に登板して6勝無敗、防御率0・39。奪三振率は14・48だった。築いた「三振の山」。BEGINの歌は「三線の花」である。東京6大学の通算三振記録を持つ、和田毅(ソフトバンク)の4年秋は、11・21だった。

投手の評価法にWHIPがある。1イニングあたりの走者を表す数字で、与四球と被安打の合計を投球回で割って求める。早川は0・522だった。沢村賞の大野雄が0・868。試合数や打者のレベル差はあるが、早川が0・346上回る。これが2者間の「走者のディスタンス?」。

小宮山監督はプロ1年目に6勝(10敗2セーブ)を挙げた。早川は何勝するだろう。恩師を下回るようなら「ろくに勝てなかった」と言うか。【米谷輝昭】

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