阪神ドラフト4位の栄枝裕貴捕手(22=立命大)は、壁を乗り越えた経験をプロでも貫いていく。9日、鳴尾浜で始まった新人合同自主トレ。

矢野監督の訓示で飛び出した「早く壁に当たってほしい」という言葉に、「僕自身はすんなり慣れてうまくやっていくのが一番かなと思ったんですけど、そう言われてみれば早めにそういう挫折を味わっておいた方がいい。やっぱり経験者ならではのことがあるんだなと思いました」と深くうなずいた。

栄枝は高知高から立命大に進んだ際、金属バットから木製バットへの変化にうまく適応できず苦労した。その壁を越えるため、先輩やOBらに助言を求めてきっかけをつかんだ。プロで苦難に直面しても「聞き魔」のスタイルは変えない。「自分で考えろとか言われるかもしれないですけど、貫いていきたい。プロになったら聞くだけではなく、見るだけで吸収する力も必要になってくると思う。そういうところも力を付けていきたい」。吸収力もプラスしていく。

強肩が武器の即戦力で、参加が“内定”した1軍キャンプでも先輩の背中を追いかける。「梅野さんや坂本さんとか、うまい捕手がいらっしゃるので。そこに食らいつくというか『栄枝も全然負けていない』と思わせられるようやっていきたい」と力を込めた。【奥田隼人】