「K」の再来や! 阪神ドラフト3位の佐藤蓮投手(22=上武大)が19日、兵庫・西宮市の鳴尾浜球場で行われた新人合同自主トレで初めて投球練習を行い、力強い投球フォームから22球を投げた。視察した久保田2軍投手コーチは能力を高く評価。背番号「30」を受け継いだ右腕が、1年目から中継ぎでの活躍を予感させた。

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佐藤蓮が、背番号「30」のポテンシャルを見せつけた。寒空の鳴尾浜。新人合同自主トレで初のブルペンに入った。練習後はオンライン取材に応じ、「いろんな方が見られていたので、ちょっと力んでしまったんですけど、その中でも自分のボールが投げられたかなと思います」。ドラフト4位の捕手栄枝を立たせて22球。視察した平田2軍監督や久保田2軍投手コーチの前で、カーブを交えながら威力のある直球を投げた。

現役時代に背番号「30」をつけていた久保田コーチは、後継者の投球を高く評価した。「力のあるボールで、いいカーブも投げていた。タイプ的には中(継ぎ)だと思う。今は右の中継ぎというのも、なかなか固定できていない。右のセットアッパーでいないタイプだし、楽しみな投手」。自身は勝利の方程式「JFK」の一角として、05年のリーグ優勝などに大きく貢献。即戦力右腕に、自身と同じリリーバーとしての期待をかけた。

評価を伝え聞いた佐藤蓮は、鉄腕級の活躍を目指す。「もし、そういうポジションを任せてもらえたら、全力で腕を振るだけだと思っています。中継ぎとしてやっていくなら、登板数は増やしていきたい。登板数は、信頼されている投手の証しだと思っています(久保田コーチには)連投に対しての取り組み方などを聞いてみたい」。同コーチは07年に、日本記録となるシーズン90試合登板を記録。偉大な背中を追いかけていく。

矢野監督は佐藤蓮ら新人7人の1軍キャンプスタートを明言している。右腕はさらなるレベルアップに向け、「再現性」を課題に挙げた。「いいボール1球で終わりじゃなく、何球も同じ球をそこに投げられるように。いいボールを続ける意識を、これからもっと持ってやっていきたい」。1年目から勝利の方程式入りへ。「基本的には投げて良くなる選手だと思っている。投げられる機会があれば、どんどんブルペンに入って投げていこうと思っています」。エンジン全開で、鉄腕ロードを歩む。【奥田隼人】

◆今季の中継ぎ陣 勝ちパターンは守護神の座はスアレスで確定。両左腕の岩崎、岩貞が有力候補。その他の右腕ではエドワーズやガンケル、1軍経験豊富な桑原や守屋が続く。2年目小川や新加入の加治屋、さらには小林、谷川、伊藤和らも1軍定着を狙う。ただ、助っ人陣は外国人枠の兼ね合いもあって起用は不透明な状態。春季キャンプや実戦のアピール次第では、佐藤蓮や石井大の新人選手も食い込むチャンスは十分ある。

◆佐藤蓮(さとう・れん)1998年(平10)4月11日、静岡県三島市生まれ。小3から長伏ヴィーナスで野球を始める。中学の三島リトルシニア、飛龍高から上武大に進学。直球の最速155キロ。188センチ、101キロ。右投げ右打ち。

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