自分は自分-。ロッテの育成ドラフト4位・佐藤奨真投手(22=専大)は、プロ入り後も己を貫く。

新人合同自主トレ第2クールまでで4度、ブルペンに入った。同じ左腕でドラフト1位の鈴木昭汰投手(22=法大)が一緒に入ることもあった。

鈴木の自慢の直球が力強くミットに収まるのは、自然と目に入る。「スピードがすごい速いので、そこはちょっとうらやましいなとは思ってました」。でも、それだけ。感情は乱れず淡々と投げる。

最速は142キロ、平均球速は135キロほど。まだ寒い。120キロ台の球だってあるだろう。「ここ最近、150キロを投げる投手ばかりの中、自分は平均130キロ台で抑えてきて、遅くても抑えられるというのを証明したい」との信念がある。プロのマウンドでも揺るがない。

「大学の時から、周りの方が全然ボールも速かった。周りが速いのは慣れているので、力みはなかったです」

大学序盤までは、自分のペースを貫けずに力むこともあったという。入学から1年、130キロ少々だった最速は140キロ台に到達。すると「力みが強くなって、打たれ出しちゃって」。個性である間(ま)の長さや奥行きを生かしながら投げ始めると、打たれそうで打たれない投球がロッテ福沢スカウトに見初められるようになった。

大学時代、自分が投じたボールの科学的数値を目にしたことはほとんどない。「直球の数値は気になりますし、変化球の数値とかも見てみたいですね」。130キロ台でもプロの猛者を抑えてきた先人は多くいる。ぶれずに、個性をより磨いていく。【金子真仁】

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