開幕への1歩。広島大瀬良大地投手(29)が22日、広島・廿日市市の大野練習場で昨秋の右肘手術後初めてブルペン投球を行った。周囲の不安を払拭(ふっしょく)する内容を22球で示した。1月に入り復活への道筋を描けるようになり、さらに例年と変わらぬ初投げで、3年連続大役を目指す開幕ロードも見えてきた。

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例年の初投げと遜色なかった。昨年9月に右肘を手術した大瀬良が、術後初のブルペンで捕手を立たせて22球を投じた。フォームのバランス、腕の振り、球の質…すべてにおいて上々の感触。7割程度の力とはいえ、球を受けた長田ブルペン捕手は「いい球を投げていた。1軍からスタートできるくらいの状態に感じた」と言えば、視察した菊地原2軍投手コーチも思わず「ベリーグッド」とサムズアップ。キャンプ10日前の大きな1歩に、復活ロードだけでなく、開幕ロードも見えてきた。

「段階を踏んでいくごとに、思っているよりも順調に来ていることは分かってきたので、よりそこを目指して頑張っていきたいという思いが1日1日強くなっている。その思いが空回りしないように、しっかりとセーブするところはセーブして、いい準備をしてアピールしていきたい」

2年連続で開幕投手を務めてきた自負がある。森下や九里が意欲を示すが、簡単に譲るつもりはない。手探り状態で調整してきた昨年までとは違い、今年に入って自分の意思とペースで調整段階を上げている。「(ブルペン投球は)キャンプに入っていく過程の準備段階の1つでもあった。術後初めてだったので、無事に終えられたので良かった」。今年の初投げは昨年より1日遅く、初めて開幕投手を務めた19年より2日早い。すでに例年と変わらない調整段階となり、手術の影響を振り払った。

今後2~3回ブルペン入りして、キャンプに臨む。2軍スタートにも、焦りはない。「1日に(ブルペンに)入らなければいけないとは正直、思っていない。キャンプからオープン戦と入っていくと思うので、そういうところには逆算しながら合わせてやっていければいいかなと思っています」。見据えるのは「2・1」ではなく、あくまで「3・26」の開幕戦。黒田氏引退や2年連続開幕投手を経て、エースと呼ばれる立場となり、今年はキャプテンに就任した。責任感とエースの自覚は年々増している。【前原淳】

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