背番号3桁から、はい上がる。育成選手として球団初の1軍キャンプスタートを決めた日本ハム長谷川凌汰投手(25)が24日、自主トレ先の沖縄・名護でブルペン入り。「(背番号が)3桁という立場で1軍キャンプに呼んでもらえるのは幸せなこと。頑張りたい」。48球を投げ、2月1日から始まる春季キャンプでの猛アピールに備えた。

持ち味は、強い直球とフォークボールだ。日差しが照り付けるブルペンで、右腕がうなった。鋭く落ちたフォークボールに、百戦錬磨の渡辺ブルペン捕手が思わず取りこぼす場面も。「ナイスボール」という同捕手の掛け声に、照れくさそうな笑顔を見せた。

独立リーグのBC・新潟から19年育成3位でプロ入りした。昨季オープン戦で5試合連続無失点と猛アピール。3試合で9回を任され、一気に守護神候補に躍り出た。球団初の育成からの支配下登録も目前かと思われた矢先に、新型コロナウイルスの影響で開幕が延期に。追い打ちを掛けるように腰を痛め、チャンスは遠のいた。

「1年勝負と思っていたので、焦りや悔しさはあった」。そんな時、球団OBで当時BC・新潟の清水監督の「考えても仕方ない。出来ることをやりなさい」という言葉に「気持ちを切り替えられた」(長谷川)という。迷いが消え、再び動きだした時計の針。「競争に勝てるよう、磨き続けてきたストレートとフォークを見せられたら」。今度こそ、つかんだチャンスを逃さない。【中島宙恵】

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