広島佐々岡真司監督(53)が1月31日、沖縄春季キャンプでリリーフ陣の台頭を求めた。昨季は不安定な救援陣が5位低迷の一因となった。開幕から安定した戦いをするためには、勝ちパターンの確立は欠かせない。外国人投手の来日が遅れる中、新人や先発陣からも適性を見極め、21年版の勝利の方程式を探っていく。

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佐々岡監督は監督就任2度目の春季キャンプも、選手に競争を求めた。レギュラー争い、開幕1軍争い、先発争い、そして「特に今年のキャンプのテーマになる」と強調したのが、中継ぎ陣の競争だった。

昨年広島は開幕してもしばらく勝ちパターンを確立できず、20度の逆転負けを喫した。救援防御率4・64はリーグワーストで、リーグ連覇の巨人とは1点差以上の差があった。さらに今季は抑え最有力のフランスアが新型コロナウイルス感染で来日が遅れ、勝ちパターン入りが期待された新外国人カイル・バード投手(27=レンジャーズ)の来日めどが立っていない。

昨季勝ちパターン入りした塹江やケムナも当然、競争の中に身を置いている。「昨年結果を残した選手もまだまだ手探りのところもあるので、新しい力も必要になってくるだろうし、そちらも見ていきたい」。救世主の台頭に期待しつつ、さまざまな可能性を探っていく。さらに「先発がダメだから、6番手から外れたからではなく、後ろの適正があれば、リリーフに回す事も考えられる」と先発からの配置転換の可能性も示唆した。2軍にも虎視眈々(たんたん)と早期昇格を狙う中崎や今村、一岡ら実績者がいる。

キャンプ2日目には若手投手が打者を相手にしたフリー打撃に登板する。第3クールからは紅白戦を予定。外国人投手の出遅れは、日本人投手にとってはチャンスでもある。一方で競争に身を置くレベルになれば、入れ替え日を前に降格させられる可能性もあるという。「2月1日になれば、みんな競争。新人選手もチームに入れば、みんなで競争してもらいます」。チーム内の競争レベルが上がれば上がるほど、チーム力も上がる。昨季からの挽回を期す指揮官は、サバイバルキャンプを予告した。【前原淳】

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