東京オリンピック(五輪)の4番はゴッド鈴木誠に託す-。侍ジャパン稲葉篤紀監督(48)は7日、広島の沖縄キャンプを視察。世界一を遂げたプレミア12で不動の4番を担った鈴木誠に約1年ぶりに対面し、伝えた。

「誠也は4番候補という私の中での構想があった。今日、本人に伝えさせていただいた」。シーズンの打棒も代表選考の材料だが、オーダーのど真ん中に書きたい名前は五輪半年前から決まっていた。

面と向かって伝えたかった。昨年末の各紙インタビューで4番構想は披露していた。誰が見ても異論はない。それでも「僕の勝手な構想。本人が見てどう感じているか。4番候補として名前を出させてもらったと話した」と礼を尽くした。

26歳から「頑張ります」とシンプルな言葉が返ってきた。「いつもと一緒の表情。特別、頑張らなきゃというものもないし、かといってフワーッとしているわけでもない。いつもの誠也だなと」。平たんな表情の裏に潜む激情を知る。「プレミア12の最初の試合で2三振したときに、大きな声を出して悔しがっていたのを見て、熱いものを持っているなと。すごく秘めたものを感じてきた。それにも期待したい」と荒ぶる心も頼もしい。

鈴木誠は新打法に取り組み、高みを目指す。初のシート打撃は4打数無安打1四球と進化の過程にある。取材対応はなかったが、稲葉監督は「選手は日々進化です。どう成長を見せてくれるか楽しみ」と結んだ。神ってる男が侍打線の中央に居座る。【広重竜太郎】