広島3年目の林晃汰内野手(20)が、長打2本で猛アピールに成功した。7日、沖縄・コザしんきんスタジアムで行われている春季キャンプ第2クール2日目に実施されたシート打撃に参加。4打席で二塁打2本と存在感を示した。

1月は松山竜平外野手(35)に弟子入りし、打撃に磨きをかけた。未来の主砲候補が初の開幕1軍入りへ、自らを売り込む。

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バットを握った両手で大きく振りかぶった。そして林は打席でどっしりと構えた。シート打撃の第1打席。カウント1-1からの3球目、遠藤の真ん中直球を完璧に捉えた。打球はすさまじいスピードでセンターフェンスに直撃。2打席目は薮田と相対し、追い込まれてからファウルで粘った8球目だ。「良い対応ができた」と直球を振り抜き、今度は左中間奥へ運んだ。今季初の実戦形式で、二塁打2本と結果を残した。

未来の主砲候補と期待される。昨季は2軍の4番として結果を残し、1軍デビューを果たした。1安打を記録したものの、8打席で5三振を喫するなど、プロの洗礼を浴びた。「去年1軍を経験して、真っすぐに振り負けていることを感じた。今年は真っすぐに負けないようにしたい」と課題克服へ、自身初の1軍春季キャンプでバットを振り込んでいる。

長打力を磨くべく、1月には同じ左打ちの松山に弟子入りし、鹿児島・鹿屋市内で鍛錬を積んだ。「松山さんはスイングスピードも速くて、打球も強い。自分もそこを強くしたかった」。林は右肩が開きやすい癖があり、バットの軌道が安定していなかった。松山から「(右手に持った)ボールを地面にワンバウンドさせて打つイメージで、右腕を下に落とす感じ」と助言を受けたという。他にも前傾姿勢を修正するため、構えの時にバットを振りかぶり、胸を張ることを意識して打席に臨んでいる。

守備では一塁と三塁の練習で連日ユニホームを泥だらけにしている。第3クールから始まる実戦へ向け「いろいろまだ力不足なんですけど、自分の全力を出し切って、しっかりアピールできるように頑張っていきたい」と気合を入れた。1軍定着へ、コツコツと結果を積み重ねていく。【古財稜明】

◆林晃汰(はやし・こうた)2000年(平12)11月16日、和歌山・岩出市生まれ。智弁和歌山では1年夏からベンチ入り。高校通算49本塁打の長打力を誇り、18年ドラフト3位で広島入団。2年目の昨季はウエスタン・リーグで4番を任され、69試合に出場。打率2割6分6厘、9本塁打、40打点をマーク。182センチ、99キロ。右投げ左打ち。