西武の160キロ右腕、昨季新人王の平良海馬投手(21)が、東京オリンピック(五輪)に挑む侍ジャパン候補に急浮上した。8日、宮崎・南郷での春季キャンプを稲葉篤紀監督(48)が視察し、高評価。今季プロ4年目の剛腕にとって、縁もゆかりもなかった国際舞台が近づいてきた。

侍ジャパン入りが現実味を帯びても、平良はまったく実感がわかなかった。稲葉監督の高評価を受けて「まだ代表を経験したこともないので想像もつかないんですが、ぜひ選ばれるように頑張りたいです」。沖縄・石垣島で生まれ育った右腕にとって、五輪は遠く離れた存在だった。「オリンピックですか、オリンピック、オリンピックは…。オリンピックはあんまり分かんない」。

小学3年で野球を始め、高校も島から出ずに八重山商工。150キロを超える好素材を発掘した西武で、プロ入り2年目からデビューを果たし、昨季はセットアッパーとして54試合に登板。1勝33ホールド1セーブ、防御率1・87の成績を残して新人王に輝いた。身長173センチ、体重100キロの体形からくり出す160キロの直球に、自然と注目度も増していった。

稲葉監督は「あの速いクイックは最初は戸惑うと思いますし、なかなか初見ではタイミングを合わせるのはできない。あのクイックに合わせてストレートの強さがあるので、外国人も打ちにくい」と対外国人打者に効果を発揮すると分析した。

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