日本ハムのドラフト6位今川優馬外野手(24=JFE東日本)が対外試合初安打初打点を挙げた。21日、中日との練習試合(名護)の5回2死二、三塁の場面で代打で登場し、左前へ2点適時打を放った。7回にも右前打で2打数2安打2打点。23日からは2軍の沖縄・国頭キャンプへの合流が決まったが、持ち味の強打と勝負強さをしっかりアピールした。

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練習試合後の囲み取材。今川の第一声は選手兼ファンクラブ会員らしいコメントだった。「昨日の試合(金武での楽天戦)でチームの勝利に貢献できず悔しい思いをした。今日はチャンスの場面だったので、打ってチームの勝利に貢献したいなと思って打席に立ちました」。2点リードの5回2死一、二塁。あこがれる中田の代打として登場した。「初球から振るぞ」と気合十分で打席へ向かった。

覚悟の通り、初球からフルスイングした。鈍い打球音でファウル。バットが折れた。キャンプ序盤に中田から譲り受けたバットが…と思われたが違った。「今日は折れそうな予感がしたんです。そういうのが自分の中であって、たいてい折れるんです。しっかり見極めました」と宝物を折ってしまう危機は回避。持ち替えたバットも自身が用意した中田モデルで、きっちりと左前へ2点適時打だ。

1点を返された直後に試合の流れを引き戻す、貴重な1本が対外試合初安打となった。7回の打席では「野球人生で初めて」という一塁線を抜ける右前打。豪快なフルスイングが信条の今川にとっては「らしくないヒット」と想定外の打球も結果を積み重ねた。試合も5-2で勝利し「練習試合ですけど勝つことが好き。自分が打って打点がついて勝てるのは格別な思いがあります」と笑顔だ。

試合後は中田から「ナイスヒット」と声をかけられ、グータッチした。「とても光栄。早く近づきたい」と感動したが、23日からは2軍キャンプへ合流することが決まった。開幕1軍への道が閉ざされたわけではなく、栗山監督も「あの打ち方で打ってきただけに配球読みができるはず。やっと自分らしくなってきたかな」と打席内容も評価している。ここまで実戦6試合で14打数4安打2打点。「打ってチームに貢献することが求められている」と自負する中で貴重な経験を積んできた。次のチャンスへ向けて、まずは牙を研ぐ。【木下大輔】

◆日本ハム新人選手の現状 ドラフト1位の伊藤は20日楽天戦(金武)で対外試合初登板で3回2安打2失点(自責0)と順調に開幕1軍へ向けて調整中。同3位の古川は、この日の中日戦で対外試合初スタメンマスクも打撃は実戦6試合で11打席連続無安打と苦戦中。同2位の五十幡は2日に左太もも裏の張りを訴え、6日から2軍キャンプへ合流。同4位の細川は19日の2軍DeNA戦(名護)で実戦デビューも2打数無安打。同5位根本、育成1位松本遼、育成2位斉藤は2軍キャンプで実戦デビューへ向けた段階を踏んでいる。