広島のドラフト3位大道温貴投手(22=八戸学院大)が、守護神候補に急浮上した。巨人との練習試合(沖縄セルラー那覇)で9回に登板。

最速149キロの直球を中心に陽岱鋼を含めて3者凡退にし、「仮想抑え」の役割を果たした。実戦は4試合連続で1回無安打無失点。絶賛売り出し中の新人右腕について、佐々岡真司監督(53)が抑え候補の1人だと明言した。

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大道が“クローザー”として最終回のマウンドにさっそうと駆け上がった。最速149キロの切れ味抜群の直球を軸に、先頭の陽岱鋼を直球で押し込み遊ゴロ。続く八百板を真ん中直球で左飛に仕留めると、最後は石川を二直に料理した。わずか11球であっさり3人で片付けた。セ界王者の1軍クラスをねじ伏せた右腕は「良かったです。自信になりました」と胸を張った。

前日26日に9回を投げることを通達されていた。しかし、9回の意識は「なかった」ときっぱり。球団最多165セーブの永川投手コーチから「どの回を投げても、(味方が)点を取った後でもやることは変わらない」と常に言われ、この試合も平常心で臨んだ。加えて「次の日も(試合が)あると思って投げた」と自ら連投を想定し、少し力感を抑えて投げたというから意識は高い。「打たれなかったので、今日ぐらいの力感の方がいいのかなと思った」と手応えをつかんだ。

今キャンプの紅白戦1試合、対外試合3試合は全て1回無安打無失点で、投げる度に首脳陣からの評価を高めている。佐々岡監督は「いろいろ試して経験させていく中で、あの投げっぷりといい、ずっと良いものを出してくれている」と認めた上で、抑え起用について「今日は負けてるところの9回だったけれど、候補であることは確か」と明言した。

昨季守護神を務めたフランスアが来日前に新型コロナウイルスに感染した影響で、2軍で調整中。現状抑えが固まっていない中、ルーキーが抜てきされる可能性が出てきた。大道は「結果を出し続けることがプロ野球選手としての仕事だと思う。負け試合でも勝ち試合でも一緒の気持ちで投げたい」と気合をにじませた。「快速王子」が猛アピールを続ける。【古財稜明】

▽広島横山投手コーチ(大道について)「バリバリ意識した9回の起用だった。本人も変わらず、大道らしいしっかりとした投球をしてくれた」

◆大道温貴(おおみち・はるき)1999年(平11)1月20日生まれ、埼玉県出身。父親の仕事の関係で移住したシンガポールで小学2年から野球を始める。春日部共栄で甲子園出場経験はなし。八戸学院大では1年春からベンチ入りし、北東北大学リーグ通算22勝。180センチ、80キロ。右投げ右打ち

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