頼むで! バックスクリーン伝説! 阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(21=近大)が3日、甲子園で行われた全体練習に参加。プロ入り後初めて本拠地でフリー打撃を行い、柵越え8本中、6本をセンター方向に打ち込んだ。春季キャンプで見せつけたパワーは健在。5日のソフトバンク戦(ペイペイドーム)でオープン戦デビュー。即戦力スラッガーがファンの前で初めて豪快アーチを描く。

  ◇    ◇    ◇

バックスクリーン方向へ、次々と強烈な弾道を打ち込んだ。佐藤輝がタテジマ初登場の甲子園で、周囲の度肝を抜いた。春季キャンプを打ち上げ、全体練習を再開。本拠地に足を踏み入れ、「広いなあと思いました」と感想を漏らしつつ、フリー打撃で驚異的なパワーを披露した。58スイングで8本の柵越え。バックスクリーン3発を含め、センター方向に6本のアーチを描いた。助っ人でも初日の甲子園で、これほどの打撃は見られない。「順調だと思います」。もはや誰も新人とは思わない豪打だった。

この日の最長は最終58スイング目にバックスクリーン左に飛び出した推定140メートルの特大弾だ。広い甲子園だが、狙うべき場所を冷静に分析している。「(甲子園は)右中間や左中間は広いと思いますけど、センターは(他と)変わらない。そこに放り込めたらいいですね」。センター方向への連弾は、狙い澄ましたもの。日本一に輝いた85年のバックスクリーン3連発など、猛虎史に残る伝説を、ドラフト1位の新人が新たに刻む可能性がある。

この日はほぼ無風だったが、今後は左打者に不利とされる浜風との闘いが待っている。「だからこそ逆方向っていうのが重要になってくる。そういう技術ももっと上げていきたい」。センターから左方向を意識し、浜風との共存を視野に入れる。見守った矢野監督は「甲子園の広さだったりはあいつ自身感じていると思う。もちろんプロとしての経験はないから、経験を積みながら、どう成長していくかをオレらも見ていく」と対応力に期待した。

5日のソフトバンク戦からオープン戦が始まる。敵地ながら初めて有観客の実戦に臨む。「しっかり開幕までまだまだアピールして、結果を残せるようにやっていきたいと思います」。4年連続日本一の常勝軍団を相手に、実力を発揮できるか。真価を問われる3連戦になる。

思い浮かべるのは、満員の甲子園だ。「これ(スタンド)がいっぱいになると考えたらすごいなと思いますし、そこでプレーできる日を楽しみにしています」。虎党の声援を浴び、バックスクリーンへ豪快アーチ-。オープン戦で結果を残した先に、夢の日が待っている。【只松憲】

阪神担当のツイッターはこちら―>

阪神ニュース一覧はこちら―>