ヤクルト浮上のために“巨人キラー”の復活は欠かせない。小川泰弘投手(30)が、開幕投手決定後の初マウンドとなる巨人戦に先発。3回2/3を被安打7の2失点(自責1)で予定の4イニングを投げきれず、82球で降板した。

どうしたら巨人を抑えられるか。ポイントになるのが4番岡本和だ。16~18年で巨人戦8連勝を挙げた小川が、ここ3年間の通算被打率3割5分、6本塁打と最も苦手にする相手。0-0で迎えた3回1死一、二塁で向き合った。中村とのバッテリーで5球連続の外角攻め。カウント2-2となり内角直球を1球はさんだ。続く7球目、外角へ投じたカットボールをとらえられ、自身の足元を抜かれる中前適時打を許した。

3打席目の4回2死二、三塁では、変化球を続けてストレートの四球。ここで交代を告げられた。“天敵”を封じられず、満塁としての降板に「新しく課題も見つかりましたし、開幕に向けてしっかりと課題をつぶしていきたい」と、悔しさをにじませた。高津監督は「昨年の巨人を考え、今年の対小川と巨人を考え、いろいろ試しながらやっていたようです。まずまずだったんじゃないかな」と評した。

キャンプ終盤まで、フォームの調整を続けていた。この日は2段モーションを使わず、セットポジションでは昨季、癖を隠すためにベルトの位置まで下げていたグラブを胸付近で構えた。指揮官は「研究熱心で、投球について好奇心旺盛。良ければ引き続きやるでしょうし、悪ければ修正するでしょう」。“巨人キラー”のよみがえりに、期待を込めた。【保坂恭子】