原点を見つめ直した。楽天田中将大投手(32)が中日とのオープン戦で4回から2番手で今季3度目の登板。宝刀スプリットにとらわれず、スライダーを活用しながら、予定の4回を70球3安打6奪三振2失点とした。

キレが一段と増した。7回無死二塁。カウント1-2から中日根尾の足元に、133キロのスライダーをグッと沈ませ空振り三振。足を滑らせ、土に手をつかせた。続く武田も外角低めのスライダーで空振り三振。「ちょっと修正を加えて(三振を)とりにいった。そこは良かったです」。京田も三たび、内角スライダーで二ゴロに仕留め、好機をつぶした。

固定観念にとらわれない。6回。高橋周にカウント1-2からスプリットを中前適時打にされるなど、3連打で2失点後、捕手の太田とスプリットにこだわらない配球を話し合った。追い込んでから「(序盤は)曲がりがシャープじゃなかった」と力の入れ具合を変え、曲がり幅を小さく調整したスライダーを活用。「ちょっとタイトめに曲げにいったら、食いついてきて空振りがとれた」と打者を狙い通りに反応させた。

昨季、ヤンキースでシーズン初勝利を挙げた9月1日(日本時間2日)のレイズ戦。88球中42球(47・7%)でスライダーを利用した。「僕は元々、スライダー投手。他の球種が効果的になるように工夫しないといけない」。振り返れば、高校時代は代名詞。直球、スプリットに重点を置いた2月27日ヤクルト戦では42球中5球(11・9%)にとどめたスライダーが、この日は70球中23球(32・9%)と割合が増した

沖縄に比べ硬い、バンテリンドームのマウンドに、応援テーマが流れる日本での有観客試合。「まだ調整段階。どういうところであれ、どれだけ自分が適応、アジャストしていけるか」と、確認、修正のルーティンを繰り返す。次回登板は13日DeNA戦(静岡)。自身のシーズン初戦、27日日本ハム戦(楽天生命パーク)まで残り2戦で仕上げる。【桑原幹久】

▽楽天石井GM兼監督(田中将に) 徐々にステップアップしている。メカニック的にもまだ完成型じゃない。もう少し完成度は高くなると思う。

▽楽天小山投手コーチ(田中将に) 本人は『アメリカで投げている感じがまだちょっと抜けない。軸足に乗せてベッタリ踏み込みたいのが、若干強めに出てしまうと』。ただ70球も投げられているので、細かい修正だけだと思う。

▽楽天太田(田中将と3度目のコンビを組み) 真っすぐとスプリットだけだと見極めもしやすいですが、スライダーがあると全然違いますね。

▽中日与田監督(今季初の本拠地ゲームで田中将を打っての逆転勝ちに) (田中将は)こんなもんじゃない。半分も力を出してないんじゃないかなと思いますが、(本拠地)初戦を飾れてよかったと思います。

楽天担当のツイッターはこちら―>

楽天ニュース一覧はこちら―>