野球界が「ワンチーム」でコロナ禍を乗り越えよう-。巨人原辰徳監督(62)が8日、新型コロナの影響で来日できていない外国人選手が入国できた際に東京ドームを提供し、全外国人選手が一堂に会しての「12球団合同練習案」を提案した。

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新規外国人選手の入国は、早くても1都3県の緊急事態宣言が解除された後となる。同宣言は21日まで延長。政府が解除後に入国を再開させれば、3月下旬に来日できる見通しだ。

だが、新型コロナウイルスの変異株の問題もあり、すでに解除された大阪府など6府県の経過措置期間が4月11日まで定められていることから、4月中旬となる見通しもある。いずれにしても、来日後に2週間の隔離期間を経て本格的再始動、実戦などを考慮すると、5月のゴールデンウイークから同月中旬~下旬にようやく1軍登録という状況になりかねない。

巨人は、8日のセ・リーグ理事会でリーグ全体の戦力低下を懸念し、以前から主張しているDH制の暫定的導入を提案した。来日再開の時期次第で<1>第2クール(4月30日~6月27日、交流戦を除く)<2>交流戦全戦、と期間限定での導入を訴えた。

調整途上の外国人野手が守備の負担を強いられず出場できるメリットがある。だが他5球団は来日時期が確定していない段階での制度導入に否定的だったり、DH制導入そのものに反対の球団もあり、今回も見送られた。22日の理事会で再び議論するとみられる。他5球団からは変わらず、対案も出ないという。別の議案の中でセ・パの実力差が問題提起され、来季以降のDH制導入について議論することは確認されたが、進展の兆しは見えない。

○…入国が遅れた外国人選手の調整について、ある球団幹部は「隔離期間の2週間の短縮を引き続きやっていくことと、2週間の中で少しでもコンディションを上げるための対策をとらせてほしいと。日本に入国した外国人選手が、コンディションを作っていく環境をどう作っていくかが今のテーマ」。最善策を練る。