新守護神の日本ハム杉浦稔大投手(29)が連投テストをクリアした。ロッテとのオープン戦(札幌ドーム)の9回に2戦連続で登板。1回1安打無失点と危なげない投球を披露した。連投はヤクルト時代の17年以来4年ぶり。クローザーとしての適性を示した道産子右腕が、満を持してシーズンへ向かう。

杉浦が2夜連続で9回のマウンドに上がった。自慢の直球は、うなりを上げていた。岡は148キロで押し込んで一邪飛。藤原は直球2球で追い込み、最後は宝刀フォークで空振り三振。長打警戒の井上は148キロで詰まらせて大勢に影響しない右前打。柿沼は藤原と同様の攻めで最後はフォークを振らせた。1回1安打無失点2奪三振。新守護神として万全の内容だった。

杉浦 状態自体は多少(右肩の)張りはありましたけど、そこまで。(連投でも)投げられそうだなと感じました。

最速151キロを計測した真っすぐは、まともに打ち返されることはなかった。「久しぶりだったので」と振り返ったように、ヤクルト時代の17年4月5、6日の阪神戦(京セラドーム大阪)以来の連投。クローザーを務める上で避けては通れないシチュエーションをクリアした右腕は「明日以降の体の反応が大丈夫ならシーズンもいけると思います」と力強く言った。

抑えを託した栗山監督も、ひと安心した。「体の状態は良さそうだったし、大丈夫。いい準備ができたと思います」と安堵(あんど)の表情を見せた。日本ハム移籍後は右肩痛の影響を考慮しながら、登板間隔を十分に空けながら起用してきた。それだけにオープン戦期間中の連投テストも「いいのか悪いのか分からなくて」とタイミングを計り続けてきた。ポテンシャル十分の素材だけに「絶対に壊さないようにと思ってやってきた」と指揮官を安心させる快投だった。

守護神としてのルーティンも確立できてきた。登板準備は8回の守備が始まる頃からキャッチボールを開始。9回の登板直前の攻撃状況を見ながら20球以内で肩を作り、マウンドへ上がる。杉浦自身も「なるべく球数は少なく。5球でも少なければ年間で投げる球数も変わってくる」と守護神仕様の流れが体に染み込み始めた。

栗山監督は「最初は体調を見ながら、3連投は避けたいので状況を見ながら」と青写真を描く。杉浦も「慣れていくしかない」と新守護神としての覚悟を決めて前を向いた。【木下大輔】