開幕4番打! 広島鈴木誠也外野手(26)が20日、ソフトバンク戦(ペイペイドーム)の1回に先制の右前適時打を放ち、オープン戦初打点をマークした。これで4試合連続安打。新たに取り組む新打法の完成度も着実に上がっている。コンディション不良からも回復し、首脳陣は開幕4番を明言。頼れる主砲が上り調子で開幕に照準を合わせた。

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会心ではない一打にも、確かな手応えがあった。4番鈴木誠は1回1死一、三塁でソフトバンク高橋礼の真っすぐを振り抜いた。差し込まれた打球は力なく二塁後方に上がった。背走した周東の後方に落ちる右前適時打となり、オープン戦初打点。初安打を記録した13日の日本ハム戦から4試合連続安打。結果ではなく、内容に新打法による成長を感じた。

「完全に入り込まれましたけど、ああいうところに落とせるというのは、いい角度で入っていけている状態だと思う」

オフに軸足に重心を残して打撃のポイントを近づけ、スイング軌道も投球に合わせてレベルスイングにした。球を呼び込み、点ではなく線で合わせる。キャンプ中には「詰まってヒットゾーンに飛ぶということは芯に当たれば長打、本塁打になる確率は高くなる。相手が詰まらせた、打ち取ったと思う打球がすべてヒットゾーンに落ちるのが理想だと思う」と狙いを明かした。オープン戦の5安打すべて単打という結果も、3安打が中堅から右方向。取り組んでいるフォームが実を結んでいる証しでもある。

試行錯誤は今も続いている。構えの形やテークバックの取り方、左足の上げ方など、ひとつずつ消化しながら完成度を高めている。「まだ良かったり、悪かったりが続いているような感じなので、毎日考えながらやっています」。シーズン開幕後も新打法の答えを探し続けることになる。ただ表情からは徐々に迷いが消えている。

コンディション不良で2試合連続欠場後は3試合で6打数4安打3四球。打順は3試合続けて起用された4番が決定的。朝山打撃コーチは「(3番から)西川、誠也は今のところは変わらない」と明かした。オープン戦も残り1試合。「ある程度、自分のスイングは数多く出せるようになってきているので、あとはシーズンに入ってしっかり数をこなしていければと思います」。カープの4番が、磨いてきた新打法とともに、新シーズンに臨む。【前原淳】