巨人阿部慎之助2軍監督が20日、ヤクルトとのイースタン・リーグ開幕戦(ジャイアンツ球場)と同じ日に42歳の誕生日を迎えた。プロ野球界21年目、指導者2年目の現在地を聞いた。

「俺の誕生日はどうでもいい。近年のふた回りくらい年下の子たちを、どう扱うかがテーマ。やっぱり人としての立ち居振る舞いだったり、そういうところを教えていこうかなと」

就任当初から一貫している。大前提は人間教育。グラウンド上では「導くこと」と「分からせること」を使い分けた。

1点を追う5回無死一、二塁。9番の湯浅をタクトで導いた。犠打濃厚の場面で、2球目までバントの構えはなし。2ボールからの3球目はヒッティングでファウル。4球目は三塁線へのセーフティーも、ギリギリでラインを割った。平行カウントからの5球目はエンドランを指示し、体勢を崩されながらも一時同点となる左前適時打。「湯浅は足が速いのに三振が多い。絶対にバットに当てろっていう、こちらからのメッセージ」と意図を明かした。

先発させた2年目左腕の井上には、身をもって分からせた。

1点リードの6回に、2四球が絡み1死満塁のピンチを招いたが続投。逆転満塁本塁打を浴びKOされた。「課題がハッキリ見えたからね。それを次の登板までに、徹底的に取り組めばいい。適当に調整してやってたら、誰もが納得しない」と次回登板までの課題を分からせた。

1300人以上のファンがスタンドに詰めかけた。「ありがたいこと。そのひと言に尽きる。張り合いがあるよ。やっぱりね」。42歳の初日が、いつものように始まった。【為田聡史】