桜の季節に、プロ野球が開幕する-。21年のペナントレースが26日、幕を開ける。DeNAとの開幕戦(東京ドーム)からセ・リーグ3連覇に挑む巨人原辰徳監督(62)は25日、新型コロナウイルスの影響で上限1万人ながら、2年ぶりに春の訪れとともに観客の前で開幕を迎えられることに感謝。相手は初陣となる三浦大輔新監督(47)だが、挑戦者の気持ちで日本一へとまい進する覚悟を示した。

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春の陽気が、この日ばかりは一層心地よい。開幕前日、原監督は東京ドームでの最終調整を穏やかな表情で見つめていた。昨年の開幕は6月19日。夏目前の暑さを感じる季節だった。「桜の咲く頃に開幕を迎えることができる。そして1万人の皆さまの前でプレーができるのは昨年にない、いつもの開幕に近い状態で迎えられる。いろんな方に感謝をしたい」。2年ぶりの球春到来-。体に染みついてきた日本の春の一風景が戻ってくる喜びと、感謝の思いがあふれ出た。

見えざる敵に細心の注意を払いながらも「レッツ・ビギンだよ」と、過度に恐れることなくここまで進んできた。春季キャンプは4カ所に分散して実施。感染拡大を防ぐために外食を控え、無事に開幕を迎えるために結束してきた。「いい状態で、いいメンバーからスタートできる」。大きな故障者も感染者も出すことなく、全員で晴れの日を迎えられる。

21年シーズンも、イレギュラーな部分を残す戦いとなる。今季は143試合ながら、9回打ち切り。7月19日から8月12日までは東京五輪による中断期間も設けられている。外国人選手の何人かは来日できていない。克服すべき条件はあるが、9度もリーグを制した指揮官は動じない。2月のキャンプ時にはレギュラーを固定した戦いを理想型に据えていたが「外国人選手も合流してませんし、まだ尚早だと思います。目的は勝つこと」。柔軟に戦術を巡らせながら、中断前までに勝利を重ねて3連覇への道筋をつくっていく。

DeNAの三浦新監督は15歳下の新人監督だが、受けて立つ気はない。「受けるという戦い方はしたくない。我々も戦いを挑む、というスタイルで戦っていきます。脇を締めて、顎を締めて戦いを挑む」と油断を排した。「役割を1人1人がしっかりと全うする。その決意で明日からスタートしてほしい」。今年は桜の花びらが舞う中、実りの秋に向かって第1歩を踏み出す。【浜本卓也】

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