阪神のドラフト1位佐藤輝明内野手(22=近大)が26日のヤクルト戦(神宮)で公式戦デビューを果たした。4球団競合の末、矢野監督が引き当てた昨年10月26日のドラフト会議から、ちょうど5カ月。父・博信さん(53)が開幕スタメンに名を連ねるまでの日々を「151日の成長記」として、日刊スポーツに明かした。

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「ケガだけには気をつけて」と送り出した沖縄・宜野座キャンプで、輝明は実戦11試合、打率3割6分6厘、2本塁打、9打点と数字を残しました。キャンプが終わり、オープン戦に入る前に話をした時でした。「スイングがよくなってんねん」と。そんなことをあまり自分から言う子ではないのですが「構えが変われば、すべて変わる」と話していました。確かに近大時代よりも構えた時のバットの位置が高く、投手寄りになっているとは思います。

元阪神の新庄さんが輝明のスイングを見て「バリー・ボンズに似ている」と言われていたのを見て思い出したんですが、1月の入寮前に自宅で輝明は熱心にボンズの動画を見続けていました。『みんな同じ打ち方やねん。メジャーリーガーは』と。その中でも(MLB最多762本塁打の)ボンズは一番ですから。昔から研究熱心なんです。ボンズをマネするということではなく、プロのスピード、キレに対応するためシンプルに“プロ仕様”の打撃フォームの参考にしていたんだと思います。

キャンプ中にDeNA戦(2月18日・宜野湾)でスコアボードを超える本塁打を打った瞬間の写真もそうだったので「インパクトの時もすごく球を見てるね」と輝明に聞くと「見てないよ。当たる瞬間まで見えない」と返事が返ってきました。「直球でも変化球でも、だいたいこの人の変化球はここに曲がる、直球ならこのぐらいに来るというのを予測して、そこにバットを出しているよ」と説明されました。

前にプロの選手が「ボールをよく見てというのは間違い。感覚です」と言っていてどういうことかな? と思っていたことが、何となく分かりました。「(コースに)素直に出した方が(強引に引っ張るよりも)左翼の方が(フェンスまで)近い」と、外角を逆らわず左翼へ打つことも、再認識したようです。

近大時代よりプロ入り後は三振が減りました。プロの審判のストライクゾーンと輝明のゾーンが一致したのかもしれません。アマチュア時代、際どいコースで見逃し三振に倒れた時、私が「何でバットを出さないの?」と聞くと「だってボールやから」と。高校(仁川学院)の頃から言ってましたね。あいつの中に明確な自分のストライクゾーンがあるんでしょうね。ケガなく開幕戦を迎えてくれたことが、本当によかったです。

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