3年連続の開幕戦勝利投手はならなかった。広島大瀬良大地投手(29)が中日との開幕戦(マツダスタジアム)で7回まで無失点と好投しながら、8回につかまり降板となった。

昨年9月5日DeNA戦以来、202日ぶりの1軍登板は、7回1/3で6安打4失点(自責2)。チームは逆転負けを喫した。開幕投手として初めてチームを勝利に導けなかった右腕は、敗戦からの巻き返しを誓った。

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マウンドを降りても、大瀬良は視線を落とさなかった。後を受けた中継ぎ陣を鼓舞し、肩を落として帰ってくるケムナをベンチ前で迎えた。7回無失点で迎えた8回。先頭木下拓の二塁打から四球と右前打で1死満塁とし、阿部に左前に運ばれると、松山の失策も重なり2点を失った。踏ん張り切ることができず、降板となった。

7回まではストライク先行で中日打線を無失点に抑えた。67球の省エネ投球で完封も見えてきた8回に暗転。ボールが先行した木下拓に今年初長打を打たれると、適時打の阿部にもカウント2-1からのカットボールがやや甘く入った。「あそこでボールが続いてバッティングカウントにいくケースが多かった。甘くなってしまうと、対策をしてきたチームに結果として通用しなくなってしまったので、そこは僕の根負け」。7回まで完璧に抑えていた右打者に痛打を浴びた。

7回までは会沢とのバッテリーで凡打の山を築いた。オープン戦までの配球とは異なり、打線の反応を見ながら直球とカットボールの割合を減らした。「甘い球とかもありましたけど、これまで通りアウトも取れていましたし、本当にあの回(8回)だけでした」。プラン通りに進んでいただけに、わずかに手元が狂った8回が悔やまれる。

3度目の開幕投手で初めてチームを勝利に導けなかった。イニング途中での降板となり、中継ぎ陣に負担を強いた。「何とか粘り強く切り抜けていけば、今日の試合展開も全然分からなかったと思うので、責任を感じます」。エースとして、自責の念にかられた。

大瀬良は昨年9月の右肘のクリーニング手術を機に肉体改造し、体をしならせる新投法で復活した。中学時代に初めてメスを入れたときも左投げで一塁手としてプレー。30メートル以上投げられるようになった。大瀬良は、ただでは起きない。「1年間ローテーションを守って、チームのために頑張りたい」。シーズンは始まったばかり。ここからはい上がっていけばいい。【前原淳】

▽広島佐々岡監督(8回の大瀬良続投について) 7回で(継投)もという考えで今日は入っていたんだけど。内容もスイスイいっていたから、もう1イニング(行ってもらう)というね。

▽広島ケムナ(8回に3番手で登板してビシエドに決勝2ランを浴び、1敗目) 外攻めを踏み込まれてしまった。初めての開幕1軍で苦い思い出になりました。

▽広島クロン(2回先頭の初打席で中前打) とてもリラックスして打てて非常によかった。チームに勝ちがつくような打撃をしていきたい。

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