育成出身の苦労人、日本ハム長谷川凌汰投手(25)が、楽天2回戦でプロ初登板初ホールドを挙げた。5-4と1点差に迫られて迎えた7回、4番手でマウンドへ。魂の19球で相手中軸に仕事をさせず“クギ付け”にし「安心というか、ホッとしました」。勝負度胸と抜群の集中力で、チームの今季初白星に貢献した。

点差は1点。しびれる場面を意気に感じた。4番浅村を147 キロ 直球で中飛。続く茂木はフォークボールでバットをへし折り、6番鈴木大は直球で二ゴロに仕留めた。いずれも、フルカウントから勝負。188 センチ の長身右腕は「2ストライクからは大胆に、強い球で抑えようと思った」。この試合、初めての3者凡退で、宮西、杉浦と勝ちパターンの救援につないだ。抜てきした栗山監督を「素晴らしかった。3人で乗り切ったことで、試合が止まった。苦しんで苦しんで野球をやっていた人間は、やっぱり強い」と大感激させた。

2年目の今季、開幕直前に念願の支配下入りを果たした。独立リーグのBC・新潟時代は、ホームセンター「コメリパワー長岡店」の「クギ売り場」でアルバイト。4メートルの丸太を店内に運ぶ肉体労働で大活躍した。10月から2月末までのオフ期間は、週5で午前11時半から午後9時まで働いて生活費を稼ぎ、その前後に野球の練習を行う日々を送った。貯金はなく「生活はカツカツ。家には、ほぼいないです。お金を稼ぐ大変さを知って、親に感謝しました」。

今、世界は一変した。「自分が好きなことでお金を稼げるのは、本当に幸せ」と環境に感謝する。「頑張ってきて良かった。また、こういう場面で投げさせてもらいたい」。真新しい背番号43が、カクテル光線に映えた。【中島宙恵】

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