慣れ親しんだマウンドで移籍後初勝利を狙う。ヤクルト田口麗斗投手(25)は、3日の巨人戦で先発する。3月1日に巨人からトレードで入団。古巣相手の登板に「特別な感情があるのは当然だと思う。いろんなことが込み上げてきますが、とにかく1人1人全力で抑えにいきたい」と意気込んだ。

ヤクルトのユニホームに袖を通してから1カ月。早くもチームになじんでいる。練習中のキャッチボールでは小川の「ライアンフォーム」を再現し、得意のものまねを披露。オープン戦では、試合後の電話取材では、第一声で「代わりました、村上です」。それから数日後のZoomでの取材では登板前の験担ぎを聞かれ「子どもを担ぐこと!」と笑顔で両手を掲げた。チームは変わっても、持ち前の明るさは変わらない。

原点は広島新庄時代、迫田守昭監督(当時)のひと言だった。「『ピッチャーというポジションは全員に見られるポジションだから明るく振る舞いなさい』と。へこたれた雰囲気というか、そういう態度を見せるとチームに影響を及ぼす。そういうことは絶対しないように、と今でも思っています」。常に雰囲気をつくり、チームを盛り上げてきている。

今季初登板となった27日阪神戦(神宮)は2回1/3を投げて6安打6失点。「チームになにもできず、迷惑をかけてしまい、申し訳ない」と悔やんだ。それから中6日。「前回は変な緊張感であったり、力みがあり、フォームの点でもばらつきがあったので、そこの修正に取り組みました」と自身を見つめ直した。いつも通りの平常心で。東京ドームのマウンドで、明るく振る舞い、チームの勝利を呼び込む。【湯本勝大】