井口先輩を超える!「5番三塁」でリーグ戦初出場初スタメンの佐々木泰内野手(1年=県岐阜商)が、2-2の同点で迎えた8回2死二塁から、高めに浮いたスライダーを左翼席に放り込んだ。大学初アーチは勝ち越しの決勝2ラン。「感触はよかった。自分のスイングができました」と、納得した表情をみせた。

打撃の良さは、すでに全国で実証済みだ。昨夏甲子園で行われた交流戦、明豊戦でも本塁打を放ち、高校通算は41本塁打。県岐阜商・鍛冶舎巧監督(69)からは「(大学)1年生から試合に出られる準備をしろ」とげきを飛ばされ、現役引退後も毎日欠かさずグラウンドに足を運び、後輩たちとともに練習を重ねてきた。

3月上旬に入寮したが、オープン戦では大学、社会人投手のスピードについていけず、何度もバットを折り苦しんだ。それでも3月中旬には、三菱重工EASTとのオープン戦で3安打を記録。「これでスピードについていける」と自信をつけ、リーグ戦に臨んだ。

東都リーグは3月29日に開幕したが、全日本大学野球連盟の規則により1年生は出場できず。4月1日に入学式を終え、この日のリーグ戦デビュー戦で思いを爆発させた。

目標はでっかく掲げた。「大学の先輩、井口さん(資仁、現ロッテ監督)の大学通算本塁打24本を塗り替えること」。初出場、初スタメンで記念すべき1号を放ち、「まだ、完璧に自信がついたわけではない。これから、もっといい投手が出てくる。そういう投手からも打てるように。まずはチームの勝利に貢献したい」と引き締めた。

安藤寧則監督(43)は「思い切りの良さがあって、物おじしない。それは本当にすごい。場慣れしているという印象はありますね」とスーパールーキーに脱帽。新たな東都伝説の始まりかもしれない。