“同期アベック弾”が、反撃の号砲を鳴らした。

18年ドラフト1位の楽天辰己涼介外野手(24)と同7位の小郷裕哉外野手(24)が楽天生命パークでのソフトバンク2回戦でともに先発出場。7点を追う3回に辰己が5号ソロで反撃ののろしを上げると、4回には小郷が2号ソロ。引き分けに終わり、勝利にはつながらなかったが、外野手の一角を奪い合う同学年コンビがバットで存在感を示した。

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ひと振りで流れを引き寄せた。7点を追う3回1死。辰己がソフトバンク高橋礼の90キロカーブを、引きに引きつけ、豪快に振り抜いた。強烈な打球を右翼席前段へ放り込み、軽快にダイヤモンドを回った。前日9日にソフトバンク先発石川にカーブで投ゴロに打ち取られ、試合後に鉄平打撃コーチへ相談。“脱力打法”を伝授され、2戦ぶりの1発へと、すぐに結果につなげた。

同期が打てば、黙ってはいられない。続く4回2死。辰己と同学年の小郷が同じく高橋礼の初球107キロスライダーを強振。こちらも同じく右翼席前段へ運んだ。「変化球は狙っていなかったですが、うまく反応できましたし、集中して打席に入ることができました」。1日ロッテ戦以来の1発で4戦連続スタメン起用に応え、三塁付近で小さくガッツポーズ。ベンチ前では両腕をクロスする「オ・ゴー」ポーズで、辰己らに笑顔で迎えられた。

2人はともに18年ドラフトで入団。同1位の辰己は1年目から2年連続で100試合以上に出場。今季は開幕から不動の1番打者として、打率3割2分2厘、ロッテ・マーティンに次ぐリーグ2位の5本塁打、同3位の12打点で好調を維持する。一方の小郷も出場試合数を1年目の22試合から昨季は58試合に伸ばし、4本塁打とパンチ力を発揮。今季は開幕スタメンをつかみ、飛躍が期待される。

3打数1安打1打点の小郷は「辰己に置いていかれないように頑張ります」と謙虚な姿勢を見せたが、5回にも2点適時打を放ち4打数3安打3打点の辰己は強気に同期を引っ張り上げる。「特に刺激はされないです。僕はともに頑張りたいと思っている。正直言って負ける気がないのでライバルとは思っていなくて、一緒にレギュラーになりたいと本気で思っています」。96年生まれの24歳が、開幕から好調をキープし首位に立つチームの躍進を支える。【相沢孔志】

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▽楽天石井GM兼監督(反撃へのきっかけを作った辰己の1発に) あの時点でたかが1点なのかもしれないけど、みんなが勇気を持てるホームラン。あれで『ヨシッ』となってきた。

▽楽天辰己(3回に5号ソロを放つなど4打数3安打3打点。1発を放った同期入団の小郷に) ともに頑張りたいと思っている。正直言って負ける気がないのでライバルとは思っていなくて、一緒にレギュラーになりたいと本気で思っています。