開幕試合は昨秋2位の東北公益文科大が3-0で山形大に先勝し、チーム初の全日本大学野球選手権出場に向けて好発進した。リーグデビューした先発左腕・柳沢大地投手(2年=日大藤沢)と今春入学の大川剛史捕手(1年=日大山形)の若手バッテリーが7回を3安打無失点に抑えてゲームメーク。2投手による完封リレーに導いた。

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コロナ禍で昨年中止になった春の神宮切符争奪戦が東北地区・大学3連盟のトップを切って始まった。新型コロナの影響で予定していた第1試合が延期となり、急きょ繰り上がった開幕戦。東北公益文科大の柳沢大と大川の日大系列高出身コンビがリーグデビューを白星で飾った。

柳沢大は大学入学後、自己最長の7回を3安打2奪三振。73球の打たせて取る投球で3回まで打者3人ずつに仕留めた。連続四球で2死満塁のピンチを背負った4回も冷静に切り抜けた。柳沢大は「球速がないのでコントロールで球数を少なくしてチームにいい流れを持ってきたかった」と開幕投手の重責を果たした。

最速は133キロながら、多彩な変化球を駆使。この日は冬場に磨きをかけたカットボールも有効に使った。昨年ドラフトで先輩の赤上優人(22)が西武育成1位でチーム初のプロ指名を受けた。まったくタイプは違うが刺激を受け、練習に取り組む姿勢を学んだ。

一方、ルーキーの大川は、左太もも裏を痛めている正捕手、伊東凜太郎主将(4年=大分)に代わり先発マスクをかぶった。日大山形3年の昨年はチーム事情で外野手だった。本来の定位置に戻った大川は「4球以内で打たせるか、三振を取るイメージでテンポよくリードしました。全国に出ても勝てるチームのキャッチャーになりたい」と意欲的。横田謙人監督(50)も「捕手は、捕る、投げる、止めるの“トナト”がしっかりできればいい」と期待している。

チームは秋2度のリーグ優勝実績があるが、春は準Vどまりだ。コロナ禍で先行きは不透明だが、横田監督は「(全国大会が)あることを信じて目先の相手を倒していくしかない」と白星を積み上げていく構えだ。【佐々木雄高】