中日木下拓哉捕手(29)が、チームをワースト記録から救う1発を放った。6回2死。たまっていた鬱憤(うっぷん)を振り払うかのようなフルスイング。ヤクルト田口の127キロスライダーを捉え、左翼席に運んだ。

離脱したビシエドが開幕戦で打って以来、12試合途絶えていた待望のチーム本塁打に「ホームランを狙ったわけじゃないですけど、フルスイングできる球を待ってた。一発で仕留められてよかったです」と息を弾ませた。この試合も不発なら、56年の13試合連続ノーアーチの球団ワーストに並ぶ不名誉記録だったが「ネットニュースに出てるので、そうなんだ、程度。狙って打てるなら狙うので」と、無心が生んだ一打を強調した。

結果的に、決勝点となる一打は名称を変えたバンテリンドームでの中日1号。重い空気を吹き払い、お立ち台でのキノタク節も帰ってきた。「娘の入園式を見に行って、心がきれいになった。その気持ちで臨めたのでよかったと思います」とファンを沸かせた。

与田監督は「全く知らないですね」と珍記録脱出には無反応も、木下拓の1発には「打った瞬間いい音がして。ヨシッという本塁打でした。これから増えていくといいな、と」と笑顔を見せた。【安藤宏樹】

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