各球団対戦が一回りし、セ・リーグは阪神が貯金7で、パは楽天が貯金5で、それぞれ首位に立った。まだ一回り、されど一回り…。好スタートを切ったチームにも、苦しいスタートとなったチームにも、キラリと光るプレーをみせた選手がいる。日刊スポーツの12球団担当記者が独断と偏見+愛情? で選んだ先週のMVPを紹介。セ・リーグ編です。

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【阪神ジョー・ガンケル投手(29)】

クレバーな助っ人右腕が開幕から無傷の3勝目を挙げた。11日DeNA戦では6回1/3を3安打1失点。阪神の外国人選手で開幕3戦3勝は08年アッチソン以来だ。来日1年目の昨季は先発0勝3敗だったが、打者の特徴をインプットした今季はさらに進化。安定感のある虎の先発陣の中でも防御率0・96とその存在は際立っている。

【広島・菊池涼介内野手(31)=2週連続MVP】

7日ヤクルト戦から打順を2番から1番に上げても、好調な打撃でチームをけん引する。9、10日の巨人戦では2試合連続で決勝打をマーク。特に9日はエース菅野から自身初の先頭打者本塁打を放ち、連敗の悪い流れを断ち切り、チームを勢いづけた。開幕から15試合連続安打中で、通算100号にも王手をかけている。

【巨人・岡本和真内野手(24)】

昨季のセ2冠王がついに目覚めた。6日からの阪神3連戦では10打数1安打と低迷していたが、9日からの広島3連戦では10打数4安打4打点と復調。11日には今季56打席目で待望の1号先制2ランを放った。主砲の1発が打線を活気づけ、球団ワースト記録となる13試合連続3得点以下を阻止。勝率5割復帰に大きく貢献した。

【中日・小笠原慎之介投手(23)】

今季3度目登板となった11日ヤクルト戦で初白星を手にした。1勝1敗ながら防御率はチーム先発陣トップの1・45。オフにエース大野雄に弟子入りし直球に磨きをかけて6年目を迎えた。与田監督からは柳とともに次代の主戦投手に指名されている。沢村賞左腕の師匠に追い付き、追い越す。

【ヤクルト・山崎晃大朗外野手(27)】

1番打者として定着。6日広島戦からの5試合では21打数8安打をマーク。現在、打率3割2分6厘9毛、1本塁打、5打点と打線を支える。ここまで12試合に先発し無安打は2試合のみ。8日広島戦では4安打1本塁打2打点で、奥川のプロ初勝利につなげた。新型コロナの濃厚接触者で自宅待機中の青木や、来日した新外国人サンタナの合流が近づき、外野手争いが激しくなるが、切り込み隊長のポジションは渡さない。

【DeNA・牧秀悟内野手(22)=2週連続MVP】

6日からの中日戦では3試合連続の複数安打。8日には一時逆転となる2ランも放ち、打率4割3分1厘、13打点と2部門でリーグ1位に立った。10日阪神戦で4打数無安打に終わり、開幕からの連続試合出塁は13試合で止まったが、6日中日戦で昨年の沢村賞左腕、大野雄から2打席連続三振した後に安打を放ったシーンには、三浦監督が「対応力、成長力がすごい」と絶賛。毎日のように球界関係者を驚かせた。

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