矢野阪神が「ロハス効果」でさらに加速した。「ロハス効果」の立役者はマルテだ。初回2死走者なし。巨人先発サンチェスの初球150キロを豪快に振り抜くと、左中間スタンドへ着弾。2試合連続となるアーチで、先制すれば開幕から15連勝の「神話」が幕を開けた。

「ゾーンの球を振るということを心がけているので、試合で結果に出て、満足しているよ。しっかりと強くコンタクトすればボールは確実に行ってくれるなというのはあるね」

3回には再びサンチェスから、来日初の1試合2発となる左翼への5号2ラン。「みんなと一緒にするラパンパラは最高」とお決まりの本塁打パフォーマンスをノリノリで披露した。

サンズも負けてはいない。6回に6号ソロ。4番大山も2発で計5発10得点。阪神クリーンアップの巨人戦5本塁打は、01年6月9日以来。空中戦で宿敵を圧倒した。

厚すぎる選手層で、独走態勢が見えてきた。前日19日には、昨季韓国球界で本塁打、打点王に輝いたロハスが入団会見。来日から2週間の隔離措置期間を終え、この日から2軍に合流した。今季の外国人登録枠は5人で1試合に出場できるのは4人まで。枠を争う熾烈(しれつ)な競争の中、刺激を受けたかのような活躍を両助っ人が見せた。マルテは「チームがすごくいい状況で、彼らもプレーしやすい状況にある。そのためにも勝ち続けたいと思います」と来日3年目の先輩として、頼もしすぎる心意気だ。

矢野監督は「マルちゃん(マルテ)が打てばムードが上がる」と効果を実感する。昨季東京ドームでの巨人戦は3勝9敗と大苦戦したが、7連勝の勢いそのままに、首位攻防の初戦を勝利。7年ぶりとなる8連勝で貯金は12まで増えた。

試合後のお立ち台でマルテは、左翼席の虎党へ向けこの日3度目の「ラパンパラポーズ」を披露。深々とお辞儀し、感謝の思いを表現した。「みんなで盛り上がったり、一体になるというのは大事なこと。そういう雰囲気をつくっていきたい」。ロハス加入で助っ人サバイバルは激しくなるが、優勝へチーム一丸を強調した。【中野椋】

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